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母親でもなく、仕事バリバリでもない自分を卑下しないで

6/17(月) 10:08配信

日経ARIA

女性のライフステージを考えるとき、「子育て」や「母であること」が大きなイベントとして語られる一方で、子どものいない人生についてスポットが当たることはほとんどありませんでした。この連載では、これまで表には見えてこなかった女性たちの気持ちに寄り添う活動をしている、大人ライフプロデューサーのくどうみやこさんにお話を聞いていきます。今回は、前向きに年を重ねる勇気をくれる、等身大のロールモデルについてです。

【関連画像】「きっと私は大器晩成型、これからもっといいことがあるに違いない! と思って自分を奮い立たせています」

 私は仕事でメディアに出る機会がありますが、そういう姿を見た方から「くどうさん、すごいですね」と言われたりします。でも、私は全然自分に満足もしていないし、どちらかというと自己肯定感も低い。だから「きっと私は大器晩成型、これからもっといいことがあるに違いない!」と思って自分を奮い立たせています。

●今の立場の中で、自分の存在意義を見つけられればいい

 子どもがいない女性たちは、「私はすごく中途半端なんです」ということをよくおっしゃいます。

 子どもを育てている女性には、「母親」というとても大きな役割があります。ある意味、それだけでも自分の存在意義が担保できるように感じます。子どもがいなくても、例えば責任ある地位で活躍しているキャリアウーマンのような人であれば、仕事で自分の価値を見いだすことができるでしょう。でもそこまでではないという場合、「私は母親でもないし、仕事もあくまで生活のためにやっているもので、役割もそれほど大きくない。ものすごくどっちつかずで、そんな自分がいやだ」と卑下してしまう。

 でも、別に大きな役割があるから偉いということではないんですよね。今の立場の中で、自分の存在意義をどこかで見つけられればいい。そのときに必要だと感じるのは、少し上の世代のロールモデルです。

 テレビなどで目にする有名人は、いわゆる成功者というか、秀でた方が多いもの。あまり現実味がないし、「自分とは違う」となってしまうので、もっと一般的なレベルで「ああいう年齢の重ね方もすてきだな。子どもがいない人生も悪くないな」と思える人がいるといいですよね。

●いつも明るく、周りを励ましてくれる60代の女性

 子どもがいない女性の生き方を応援するグループ「マダネ プロジェクト」の集まりは40代が多いですが、下は20代から上は70代まで、幅広い世代が集まります。その中に会の運営をサポートしてくださっている60代の方がいて、とっても明るいんですよ。いつも生き生きとしていて、「沈んでいたらもったいないよ!」ってみんなを励ましてくれる。

 反対にその方も、参加者から「この間、あなたの言葉で気持ちがすごく救われたのでお礼を言いたかった。またお会いしたかったんです」と声を掛けられたりするんだそうです。そんなことを言われたら、うれしくなりますよね。今、つらい気持ちのただなかにいる人も、そういう時期を過ぎた上の世代も、お互いに刺激を受け合っています。

 もう気持ちの整理がついているかなと思われる60代でも、やっぱり悩みはあります。「60くらいになると、周りが孫を授かり始めるんです。そうすると、改めて孫がいない、子どもがいない老後ということを考えて不安に駆られる。第二の波が来た感じです」というお話をされる方もいます。

 子どもが欲しかった人にとっては、ある時期にスコーンと気持ちが切り替わるというよりは、少なからず火種みたいなものが一生あるのだと思います。それが何かの拍子にぽっと燃えて、また消えてを繰り返す。たまにそういう気持ちが顔を出すことは仕方がないし、別にあっていいと思うんです。そういうことも含めて、「ちょっと先を歩いている人」の話を聞けることは励みにもなります。

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最終更新:6/17(月) 10:08
日経ARIA

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