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ベトナムに渡った女子大生起業家 アジアで食育広める

6/18(火) 7:47配信

NIKKEI STYLE

発展途上国の栄養問題を解決したいと、ベトナムで食育事業を手掛ける松岡奈々さん(22)。メガバンクのトップが彼女のプレゼンを聞いて感動したという逸話の持ち主だが、かつては人前に出るのが苦手なタイプだった。引っ込み思案な少女はなぜ20歳で起業し、海外へ渡るチャレンジャーに変身したのか。

ベトナム中部の町、ダナンが現在の松岡さんの活動の拠点。松岡さんはこの町で、ベトナム人向けに栄養について学んでもらう取り組みに奔走している。

松岡さんの活動の舞台は保育園や幼稚園。栄養を学ぶといっても講義のような堅苦しいものではない。松岡さんが開発した食育カードゲーム「モグモグ」はカード1枚につき食材が1つ描いてあり、赤や黄色、緑などの印で栄養素をわかりやすく見せる。さらに、どの栄養素が豊富かが点数で書いてあり、点数を足して競うといった遊び方ができ、ゲーム感覚で栄養を学べるのだ。

東南アジアでは、子どもの肥満と栄養失調という二極化が社会問題になっている。特にベトナムでは5歳以下の肥満率が9%を超え、世界平均を大きく上回る。「日本では当たり前になっている『食育』という考え方をベトナムにも広げていきたい」と松岡さんは語る。実地で学ぶ場所も必要と考えて、ダナンで農場も作った。

松岡さんは、この事業を展開する合同会社ウェルネゾンジャパンを2017年の20歳の誕生日に立ち上げた。東京で1年間運営したあと、18年4月から活動拠点をダナンに移した。この経緯を簡単に説明されると、誰もが「小さいときからスーパー少女だったんだろうな」と思うだろう。しかし、実際は海外経験もない、普通の子どもだった、と本人は言う。

■人前が苦手な少女を変えた、熱血先生との出会い

1997年鹿児島県で生まれ、京都市の郊外で育った。「小さいときはおとなしくて一人でいるのが好きでした」という。両親は「女の子がそんなに勉強をがんばらなくてもいい」という考え方だったが、勉強はできる方だった。

中学の先生からは進学校の受験を勧められたが、「進学校に行ってみんなと同じように良い大学を目指すという道に興味がもてなかった。人と違う選択をしたい」と考えた。地元から離れていて、あまり知り合いがいなくて、面白いことをしている学校という条件で見つけたのが、京都府立桂高校園芸ビジネス科だった。

農業には興味はなかった。だが、桂高校で様々な研究活動が実社会に生かされていることを知り、興味がわいたという。迷わず進学した桂高校で人生を変える1人目の出会いが待っていた。バイオテクノロジーの松田俊彦先生だ(現在は他の高校に転任)。何しろ熱い先生だったという。

入学した頃の松岡さんは、控えめで人前に出て発表するなんてとんでもないというタイプだった。京都の伝統野菜を自分たちで育て、スイーツとして商品化し販売するというプロジェクトにかかわるなかで、松田先生は少しずつ前に出て活動する場を提案して励ましてくれた。気づいたら、「私もできるかもしれない」と思うようになっていたという。

研究で野菜の栄養成分を知るにつれ野菜の可能性に気づいた。発展途上国の栄養問題を知ったのも高校の研究がきっかけだ。次第に、野菜の力を世界に届けたいと思うようになり、初めてビジネスに興味をもった。そこで、高校の研究室仲間と日本政策金融公庫が開催した高校生向けビジネスコンテストに参加した。

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最終更新:6/18(火) 12:15
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