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アップル×ファーウェイ 次のステージへ、田中道昭・立教大学ビジネススクール教授に聞く

6/18(火) 11:37配信

日経BizGate

アップルが目指す医療プラットフォーマー

 米中貿易戦争の最前線に立たされた米アップルと中国・ファーウェイ。世界のスマホ市場をリードしてきた2社には「ものづくり」企業として当面のサプライチェーンの確保など共通の課題も多い。しかし国際メガテック各社を経営コンサルタントして分析する田中道昭・立教大ビジネススクール教授は「2019年の時点で見た場合、アップルはプラットフォーマーを、ファーウェイはハードメーカーを追究し、それぞれビジネスモデルが異なってきている」と指摘する。両社の企業戦略と事業展開を追った。

 世界のスマホ市場の出荷台数では、アップルは韓国サムソン、ファーウェイに続く3位だ。しかし業界全体の利益の9割はアップルが占めるという。田中教授は「コーポレートブランド戦略に優れる米FAGAの中でもずば抜けて強い『プレミアムブランド』を持ち、製品に独自の基本ソフトのiOSを搭載していることの2点がアップルの成長を支えている」と分析する。

 アップルは米アマゾンやフェイスブックのように「企業ミッション」を明示していない。しかし「CMの『Think different』いったメッセージで『自分らしく生きることを支援する』というブランド観を発信している」と田中教授。機能価値としてカスタマーインターフェースが優れて使いやすいこと、情緒価値では実際に使っていて「誇らしい」といった気持ちにさせることが大きいと分析している。

 さらにiOSのプラットフォーム上には数百万人のアプリ開発者、10億人以上のアプリユーザーが集まっているという。有料アプリの場合は価格の3割など、一定の割合でアップルに手数料が支払われる仕組みだ。スマホの普及が進み買い替えサイクルが長期化する中で、iPhoneの販売も勢いに陰りが見えてきた現在、田中教授は「サブスクリプション(課金継続)を含めて一層のサービス部門拡大をアップルは目指すだろう」としている。

 田中教授は「メディカルビジネスのプラットフォーマーをアップルは目指すだろう」と予測する。背景にあるのは、同社が顧客のプライバシーを重視し個人データを活用しないことを明言している点だ。消費者から集積したビッグデータを使わないことは大きなハンディーだが「自分の銀行口座にまで紐付けるような金融取引などでは、信頼性は大きなポイントだ」と田中教授。自らの健康医療情報を委ねる場合には、なおさら信頼性が決定的な重みを持つ。

 田中教授は「心電図まで搭載しているアップルウオッチは、もう医療機器と呼べる水準まで進化している」と言う。かつて2000年代にiPodが音楽市場を一変させたようにヘルスケア市場を大きく変える可能性が高いとしている。

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最終更新:6/18(火) 11:40
日経BizGate

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