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騙されないためにも!自分で簡単にできる「相続税」の計算方法

6/18(火) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。今回は、相続税の計算方法について見ていきましょう。

相続税はある一定額以上の遺産にかかる税金

相続税の計算って、難しそう……。そう感じている方は多いと思いますが、実は、正直に話すと、相続税の計算はそこまで難しいわけではありません。今回紹介する、相続税の計算の流れを知れば、多くの人が自分で相続税を計算できるようになるでしょう。自分で相続税の計算ができるようになると、自ずと、相続税対策のやり方もわかってきます。

現在、様々な業者が「相続税対策になりますよ」といって、不動産や生命保険をすすめてきますが、必ずしもそれが正しい相続税対策になっているとは限りません。自分の資産を守るためにも、まずは相続税の計算の流れを勉強していきましょう。

■相続税は一定以上の財産を残して亡くなった人にだけかかります

相続税は、亡くなった人が残した財産にかかる税金です。しかし、亡くなった人全員にかかるわけではなく、ある程度の一定額以上の財産を残して亡くなった人にだけかかる税金なのです。この一定額のことを、基礎控除(きそこうじょ)といいます。

この基礎控除の金額は次の式で計算します。

3000万円+相続人の人数×600万円

この式だけだとわかりづらいと思いますので、例をあげます。たとえば、父と母と子ども2人の合計4人の家族がいたとします。この家族のなかの父が、この度、亡くなってしまいました。この場合、父の相続人は誰になるかというと、母と子ども2人です。つまり相続人の人数は3人です。このことを踏まえて、先ほどの基礎控除を改めて考えてみましょう。

3000万円+相続人の人数(3人)×600万円

となりますので、答えは「4800万円」ということになります。簡単ですよね。それでは、もし、次に残された母が亡くなってしまった場合には、基礎控除はいくらになると思いますか?

今度は4200万円が基礎控除の金額となります。先ほどの父のときと比べると、基礎控除が600万円少なくなっています。法定相続人の人数が一人減っているので、その分、基礎控除の金額も少なくなってしまうのです。ちなみに、亡くなった人が残した財産を、すべて合わせても基礎控除を超えないご家庭には、相続税は発生しません。この場合には、税務署に申告しなくてOKです。

ただ、最近は、基礎控除を超えているかどうかは関係なく、亡くなった日から半年後に、税務署から「相続税についてのお尋ね」という封筒が届くことがあります。これが届くと焦りますよね。「うわ!うちはやっぱり相続税かかるのか。そして税務署からもマークされている!!」と多くの人が不安になります。ですが、実はこの手紙は、亡くなった人の情報をもとに、税務署が何らかの基準に基づいて送っているものなので、必ずしも基礎控除を超えている人にだけ届くものではありません。これから相続税の申告書を提出する人は、このお尋ね書は無視してOKです。一方で、基礎控除以下となるため申告をしない人は、念のため、「財産が基礎控除を下回りますので、相続税の申告はしません」と返信していた方が無難ですね。

■財産の評価額はどのように計算するのか?

亡くなった人の財産は、亡くなった日における時価で計算することとされています。現金や預金についてはシンプルです。亡くなった日における残高で計算していくことになります。これは余談ですが、亡くなる直前に預金口座から引き出した現金は、亡くなった瞬間には、手許に現金として残っていたことになります。こういった現金はしっかりと申告しないとダメなのです。税務調査が入った場合には、必ずといっていいほど、亡くなる直前の現金引き出しはチェックされます。ここは気を付けましょう。その他の財産も、基本的には「もし、今、これを売ったらいくらになるのか?」と考えて時価の金額を計算していきます。

ただ、不動産については、不動産鑑定士でもない限り、正しい時価を把握することは困難です。そこで国税庁は、誰でも簡単に不動産の評価額を計算できるように、「路線価」というものを公表しています。これを使えば、誰でも簡単に計算できますので、是非、一度試してみてください。

■小規模宅地等の特例を検討

財産の評価額ができあがったら、次に、小規模宅地等の評価減という特例を検討します。この特例はひと言でいうと「亡くなった人が自宅として使っていた土地は、配偶者か同居している親族が相続する場合には、8割引の金額で評価していい」という特例です。

8割になるのではなく、8割引です。

1億円の土地であれば、2000万円の評価額で計算してくれるという、減額の幅が非常に大きな特例です。地価の高い地域に住んでいる人であれば、相続税が何千万円も変わる話になります。

この特例が使えるかどうかで、今後の対策の立て方も大きく変わりますので、早い内に必ず、この小規模宅地等の特例についての検討はしておくようにしましょう

■財産の分け方を決めよう

亡くなった人の財産を相続できるのは、「相続人」という法律上、決められた立場のある人に限定されます。ちなみに、遺言書がある場合には、相続人以外の人に財産を渡すことができるようになりますが、遺言書を使って財産を渡すことを、遺贈(いぞう)といい、法律用語上は相続と区別して使います。

亡くなった人の財産の分け方には、ルールがあります。そのルールに従って、財産の分け方を決めていくのですが、ルールの全体像は次の通りです。

 まずは、遺言書があるのか、ないのか。ここが非常に大きなポイントです。遺言書がある場合には、その遺言書の内容に基づいて財産を分けていくことになります。ただし、「あなたは全然お世話してくれなかったから、1円もあげないわよ」といった、極端に取り分が少なくなるような遺言書を作った場合にも、相続人には最低限の金額は必ず相続できるように保証されている金額があります。これを遺留分といいます。

この遺留分を侵害してしまっているような遺言書がある場合には、かえって問題を悪化させてしまうことになるので、十分注意しましょう。

ちなみに、相続人全員が同意をした場合には、遺言書の内容は変更することが可能です。ただし、全員の同意が必要になるので、一人でも「私は、お父さんの遺言書の通りに財産を分けたいわ」という人が現れた場合には、遺言書の分け方が優先されることになります。

もし、遺言書がない場合には、相続人全員での話し合いによって、財産の分け方を決めていきます。この話し合いのことを遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)といいます。この遺産分割協議は、相続人全員が同意して、遺産分割協議書という書類を作り、相続人全員が実印と署名をするまでは、永久に続きます。ここでよく誤解してしまう人がいるのですが、法定相続分という割合は、遺産分割の分け方の目安として定められているもので、必ずしもこの割合で分けなければいけないというわけではありません。

あくまで相続人全員が同意すれば、どのような分け方でもOKです。 全員の同意がとれない場合には、家庭裁判所で調停をしたり、裁判をしたり……と、何年も揉めてしまうケースも珍しくありません。気を付けようがないかもしれませんが、気を付けましょう。

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最終更新:6/18(火) 9:00
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