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ストリーミングの勝者たるスーパースターたちを襲う、大いなる変化の波

6/18(火) 23:15配信

Rolling Stone Japan

新たに発表された統計は驚くべき事実を明らかにした。ストリーミング市場における音楽界のスーパースターたちのシェア(およびSpotify等から彼らに分配される印税収入)は、過去3年間で著しく減少している。その理由とは?

写真3点:ストリーミングの勝者たるスーパースターたちを襲う、大いなる変化の波

SpotifyやApple Music等のストリーミングサービスにおいて最も稼いでいるアーティストはと尋ねられれば、大半の人はドレイクやアリアナ・グランデ、エド・シーラン、ビリー・アイリッシュ、カリード等、言わずと知れたスーパースターたちの名を挙げるだろう。事実彼らは最近、全世界を対象とするメジャーなチャートの頂点に立っている。

以前にも伝えた通り、これらのプラットフォームの売り上げ分配システムはそういったスーパースターたちのために考案されたと言っていい。Spotifyの「サービスベース型」の印税支払モデルでは、同サービスが得た利益の何パーセントかをアーティストが(多くの場合はレーベルを介して)受け取る仕組みになっており、その数字は1ヶ月間におけるSpotify上の全楽曲の総再生回数に対する各アーティストのシェアによって決定される。(言い方を変えれば、月に9.99ドルを支払う有料会員がある無名のインディーアーティストの曲だけを聴き続けたとしても、そのアーティストがそのユーザーの9.99ドルを受け取るわけではないということだ。そのお金は同社の売り上げとなり、その総額が世界中のアーティストに分配されることになる。その中にはもちろんドレイクやアリアナ・グランデ、エド・シーラン等も含まれている)

この構造を見る限り、スーパースターたちがストリーミングサービス市場におけるシェアを益々拡大し、そこから得る印税収入は増す一方だと考えられるだろう。しかし、それは事実ではない。

以下に掲載したアメリカでのストリーミングプラットフォームにおける統計によると、むしろその逆であることがわかる。ストリーミング市場における音楽界のスーパースターたちのシェア、およびSpotify等から彼らに分配される金額は、過去3年間で著しく減少している。

その兆候を最初に示したのが、1月に発表されたMBWによるレポートだ。BuzzAngle/Alphaのデータによると、アメリカのストリーミング市場における上位50曲の総再生回数は、去年1年間で合計37億回となっている。2017年にはその数字が147億回であったことを踏まえると、2018年にはそれが約4分の1にまで減少していることがわかる。

こういった変化はまったくの想定外だったに違いない。アメリカにおけるストリーミング市場は順調に拡大を続けており、2018年度の総再生回数5346億回という数字は前年比42パーセント増となっている。その一方で、ストリーミング市場全体に対する上位50曲のシェアは0.7パーセントであり、前年の3.9パーセントから大きく減少している。
 
範囲をトップ500曲に拡大してみても、その傾向は同じだ。Buzzangle/Alphaのデータによると、Spotify等のプラットフォームにおける上位500曲のアメリカ国内での総再生回数は、去年1年間で合計550億3000万回となっている。前年と比較するとその数字は21億7000万回増となっているが、すべての楽曲を対象とした場合のアメリカ国内における総再生回数が実に1577億回増加していることを踏まえれば、上位楽曲の再生回数の増加率が驚くほどのものではないことがわかる。

これが意味するのは、昨年度のアメリカにおけるストリーミング市場成長の98パーセント以上が、上位500曲以外のものに起因しているということだ。

そこで気になるのは、上位500曲以外ではどういったアーティストが人気を博しているのかということ、そしてその状況がストリーミング市場を独占してきたスーパースターたちにどう影響しているのかという点だ。

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最終更新:6/18(火) 23:15
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