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「コンビニ飽和論」が再び指摘され始めている理由

6/18(火) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 コンビニの大量閉鎖時代は迫っているのか――。コンビニ大手3社の今期の新規出店数が近年にない低水準。「ついに飽和を迎えたか」との指摘も増えている。コンビニを追い込んだのは同じ看板同士が競合するカニバリ(自社競合)などがその要因に上がる。しかし、コンビニ包囲網を築いているのはそれだけではなさそうだ。(流通ジャーナリスト 森山真二)

● 再び指摘され始めた 「コンビニ飽和論」

 「(ここ数年は)出店数を追い過ぎた」と話すのはほかならぬ、コンビニ最大手セブン-イレブン・ジャパンの親会社セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長だ。

 井阪社長によれば今期は「意志ある踊り場」。新規出店を抑え出店方法を見直す。地区ごとに商圏を見極め、新店は初年度から高い日販を獲得できるように基準を設定していくという。

 コンビニはかつて「飽和」といわれた時があった。2000年代初め頃だ。従来のたばこと缶コーヒー、高カロリー弁当という「男の店」のイメージから脱皮できず、女性客が取り込めずにいた。既存店の前年割れが続き、「コンビニ飽和論」が台頭した。

 それをセブン-イレブンがシニアや女性客が購入しやすいように商品を開発して品ぞろえを変革、女性客の比率を高めていくことで打破。しかも、入れたてのコーヒーなどを提供することで、缶コーヒーとたばこのイメージを払拭した。

 コンビニの父、セブン&アイの鈴木敏文最高顧問は「コンビニは変化に対応していけば飽和なんてことにならない」が口癖だったが、まさに変化に対応してコンビニは変身、現在のセブン-イレブンの位置を築き上げた。

 しかし、今回ばかりはそうともいっていられない状況だ。

 セブン-イレブンはここ数年、毎年のように1000~1500店と大量出店してきたが、2020年2月期の新規出店数は前期の1389店より500店以上少ない850店、これに対し閉店数が750店あり純増数は100店にとどまる。

 ファミリーマートやローソンも同じようだ。

 ファミマの新規出店数が500店あるが、閉鎖が400店で純増数は100店だ。ローソンに至っては純増ゼロという。

 新規出店することで成長しているイメージを作り出し、加盟店を確保してきたコンビニ大手としては大きな方針の転換だ。かつて新浪剛史ローソン元社長が「無理な出店を続ければ大きな閉店がある」と言ったことが思い起こされる。

● ドラッグストアや自社店舗のほか ミニスーパーとの競合

 コンビニをこうした状況にまで追い込んだのは巷間いわれているように、ドラッグストアなどとの競争や自社競合があるのは確か。自社競合もすでに、都市部では道路を挟んで向かい側に同じ看板のコンビニがあるということが珍しくない。

 セブン&アイの井阪社長はそうした状況を考慮してか今期、出店地区の状況を精査して新店で高い日販を獲得するという。

 しかし、コンビニに適した立地が少なくなっていることも事実であろう。あるとしても、日販(1店あたりの1日の売上高)が見込めないような立地だ。

 コンビニは小商圏の王者としての位置を脅かされている。

 というのも最近、総菜や弁当、コンビニ機能を取り込んでいるドラッグストアばかりではなく、コンビニのシェアをジワジワと侵食している業態があるからだ。

 それは生鮮食品や総菜などをそろえた「ミニスーパー」だ。「ミニスーパーっていったって、そんなに店舗がないでしょ」という声も聞こえてきそうだし、まだ市場は黎明期といった様相だ。

 だが、大手食品スーパーが相次いで出店し始めており、今後コンビニのライバルとして急浮上しそうなのだ。

 ミニスーパーといえばイオンが始めた「まいばすけっと」が勢力を拡大しており、現在東京、神奈川などに700店を展開。今後2000店をメドに店舗数を引き上げる方針だ。

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最終更新:6/18(火) 6:01
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