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世界を変えることより「ピュアな自分たち」を守ることを優先する「オトナ」になれない野党

6/18(火) 6:00配信

週プレNEWS

特定秘密保護法、安保法制に共謀罪法の成立。集団的自衛権に関する解釈改憲。森友・加計(かけ)学園問題と公文書偽造問題。などなど第2次安倍政権が発足して以来、その政策はさまざまな議論を呼び、また重大な疑惑も指摘されながら、国政選挙では大敗し続ける「野党」。

これほどに「リベラル」が有権者の心をつかみ一矢報いることができない理由はどこにあるのか? 新著『なぜリベラルは敗け続けるのか』(集英社インターナショナル)で、自戒と怒りを込めて直言する政治学者の岡田憲治氏に話を聞いた。

* * *

──本書の帯に「私は本書執筆で『友』を喪(うしな)う覚悟を決めた」とあります。岡田さんがこの本で「喪う」かもしれない「友」とはどんな人たちですか?

岡田 例えば、「脱原発は今すぐやるべきだ。だから全原発即時停止すべし!」とか「憲法9条はユネスコの世界遺産にすべきで指一本触れるのも許さない!」とか「安倍晋三は悪魔だ」と民主主義の危機を訴え、時々国会前のデモにも行ったりする人たちです。

あるいは、そうした内容のフェイスブック投稿にひたすら「いいね」を押しまくり「シェアさせてください」と反応するだけで、なんとなく満足してしまうような「自称リベラル」の「友人」たちですね。

僕が彼らをあえて「友」と呼ぶのは、僕自身も彼らの主張はおおよそ理解できるし、彼らが基本的に「まじめな人たち」だということもよくわかっているからです。

ただ、彼らには自分たちの主張をどう実現するのかという「HOW」の部分が決定的に抜け落ちている。それこそが「われわれ」が負け続けている、最大の原因なのだと訴えたくて書いたのがこの本です。

──なぜ「HOW」が抜け落ちてしまうのでしょう?

岡田 それは「政治とは何か」という基本的な問いに対する答えを見誤っているからです。僕は政治的な行為の根っこにあるのは「何を守りたいのか?」という思いだと考えています。

当たり前の話ですが、人はひとりでは生きていけません。自分がいて、他者がいて、そこに関係性が生まれて......という積み重ねの上に社会や世界があるわけです。

そういう社会で生きていくなかで「自分の思い」を実現しようと思ったら、自分と同じ思いを持つ仲間を集めていくしかありません。実はこの「仲間集め」こそが政治の基本なのだということを、野党のリーダーたちも、SNS上の自称リベラルの人たちも十分理解していない。

本気で世の中を変えたいと思ったら、まずはお互いの違いを乗り越えて共有できる部分で仲間を増やしていく努力が不可欠で、それが政治です。

それなのに、それぞれが自分たちの正しさを主張し合い、世界を変えることより「ピュアな自分たち」を守ることを優先してしまうから、連帯ができず仲間が増えない。これが、日本のリベラルが負け続けている大きな理由のひとつです。

──「野党共闘」はうまく機能せず、結果的に与党の圧勝を許してしまう......と。

岡田 もうひとつは、政治の基本が「人間の気持ち」だという点です。どんなに崇高な理想を持ち、正しい主張をしていても、それを相手に伝えようという努力や工夫がなければ、「うちの商品はいいものだから黙っていても客が来る」と威張っている店と同じで、そんな店は潰れてしまいます。

それと同じで「支持されないのは国民が問題の深刻さをわかっていないからだ!」と相手のせいにしたり、「安倍政権のやることはすべて悪だ!」という単純な善悪の二分法で切り捨ててばかりいると、有権者の心は離れてゆくばかりです。

人って「自分がなんとなく思っていたこと」を誰かが明確な言葉にして言ってくれると、「ホラ、やっぱりそうだよ!」と心が動く。逆に、自分が知らなかったことを「上から目線」でいきなり言われても「あー、はいはい、そりゃ確かにそうかもしれないけど、偉そうなオマエの言うことは聞きたくねえよ!」と思うのが人情でしょ?

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最終更新:6/18(火) 6:00
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