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<ショスタコーヴィチからの“伝言”>20世紀最大の作曲家ブーム再燃! 亀山郁夫×小林文乃〈サンデー毎日〉

6/19(水) 18:09配信

mainichibooks.com

 ◇ロシア文学者・亀山郁夫×ノンフィクション作家・小林文乃 魂を揺るがす音楽の秘密を探る

 ◇スターリン体制下で引き裂かれた音楽

 旧ソ連が生んだ作曲家ショスタコーヴィチが、いま改めてブームである。彼はスターリン独裁下で権力礼賛の曲を書く一方、そこに抵抗の意志を込めたり、分裂する自らを表現したりもした。一筋縄ではいかないその音楽の秘密とは? ロシア文学者の亀山郁夫、ノンフィクション作家の小林文乃の両氏が語り合う。

 五木寛之氏が、「週刊誌としては異色の対談であり、最近、刺激的な特集だった」と、その読みごたえを評した濃密な対話を以下にお届けする――。

 旧ソ連を代表する作曲家であるドミートリイ・ショスタコーヴィチ。彼ほど毀誉褒貶(きよほうへん)のある芸術家は珍しいのではないだろうか。

 大粛清の嵐が吹き荒れるソ連で、弾圧に屈するかのように数々の曲を発表し、スターリン亡き後は激しい批判に晒(さら)された。

 例えば、彼の代表曲の一つである交響曲第7番。この曲は第二次世界大戦中、ナチスに包囲されたレニングラード内で作曲され、その初演も包囲下の街で行われた。餓死寸前の楽団員たちによる演奏は、市民に勇気と希望を与える。

 しかし同時に、その交響曲がスターリン政権のプロパガンダとして利用された側面も否定できない。

 近年、にわかにこの曲の背景が注目されつつあるという。日本国内でも多くの本やドキュメンタリーが作られ、ロシア国内では「ソ連懐古主義」と足並みを揃(そろ)えるかのように、一時はスターリンと共に時代から消されたこの曲が、現代に蘇(よみがえ)りつつあるというのだ。

 今、なぜショスタコーヴィチなのか。『ショスタコーヴィチ引き裂かれた栄光』の著者である亀山郁夫氏と共に、ショスタコーヴィチとは、そしてソ連とは何だったのかを考える。

小林 今年の正月にNHKで、ショスタコーヴィチの交響曲第7番を追った番組が放送されました。数年前から急にショスタコーヴィチのブームが来ているという実感があるのですが、なぜ今、世界中で人気が復活しつつあるのでしょうか。

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最終更新:6/20(木) 12:08
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