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中谷美紀が語る、フランス映画の魅力

6/19(水) 21:07配信

Numero TOKYO

2019年6月20日(木)から23日(土)の4日間、新作フランス映画を中心に話題の作品を上映する「フランス映画祭2019 横浜」が開催。フェスティバル・ミューズを務めるのは、女優の中谷美紀。フランス映画を愛する彼女に、その魅力や映画祭の見どころについて聞いた。

──フェスティバル・ミューズ就任のお話を聞いたとき、どんな気持ちでしたか。

「フランス映画は10代の頃から大好きでした。少しでもフランス映画に寄与することができるなら、光栄なことだなと思いました」

──フランス映画に興味を持ったきっかけは、何だったのでしょうか。

「月並みですけれど、VHSでゴダールの『気狂いピエロ』や『勝手にしやがれ』、トリュフォーの『大人は判ってくれない』、『突然炎のごとく』などのヌーヴェルヴァーグが入り口でした。最初に観たのは、14~15歳くらいの頃でしょうか。強烈なショックを受けまして。やはり、古い映画であるにもかかわらず新しいと感じたんですよね」

──ヌーヴェルヴァーグのどんなところに惹かれましたか。

「ゴダールが行なってきた断片的なカットのつなぎ方が、私にとっては新しい試みだなぁと感じました。予定調和を壊すというか、ある意味辻褄も合っていないと言いますか…。“ヌーベルヴァーグ”というぐらいですから、“新しい波”ですよね。自分にとっては古い世代であるにも関わらず、やはりその革新的なムーブメントというのが、とても強烈に刺さりましたね」

──それが映画の原体験だったのですね。

「そうですね。それから、監督を追って映画を観たりですとか、映画館に行くという行為そのものがとても楽しくて。映画館に行ってパンフレットを購入して、エンドロールまで全部観て…。その日に観た映画の監督や脚本家、主演の俳優さんの名前などをシステム手帳に書き込んでいました」

──フランス映画を観るために、パリに住んだというのは本当ですか。

「映画館が最も多い、6区に住んでいました。5区や6区の映画館はもちろん、セーヌ川を渡って1区の映画館にも行けたので。私の青春時代の映画『ポンヌフの恋人』でおなじみのポンヌフの橋の目の前にあるアパートを借りていました」

──それは何歳のときでしょう。

「22歳くらいでしょうかね。朝8時とか8時半くらいにセーヌ川を渡って徒歩でレ・アールのシネコンで一本観て、それから再びポンヌフの橋を渡ってまた5区や6区に戻ってきて、さらに小さな映画館に行ったりしていました」

──そんなに映画漬けの日々をおくるほど、大好きだったんですね。フランスカルチャーに目覚めたのは映画が入り口だったんですか。

「そうですね。フランス映画を見ないとオシャレじゃないっていう世代だったので。日本の雑誌でも、フランス映画特集やフレンチカジュアルとか、お洋服もそうですし、音楽もジェーン・バ-キンなどが再び取り上げられていた時代だったので」

──ずばり、中谷さんにとってフランス映画の魅力とはなんでしょう。

「ちょっと辛口なユーモアがありながら、一つ一つの映画の主題が深いですよね。議論好きなフランス人の作る映画の中には、詩的で難解な作品もありますが、やはり表面的にただ美しいだけではなく、人間の心の機敏を大切に丁寧に描き、美しいシネマトグラフィーに収めているのがフランス映画なのかなって。その一方で、盗めるようなおしゃれな要素がありますよね」

──今回のフランス映画祭で、楽しみにしている映画はありますか。

「やはり女性の視点で描かれた、『愛しのベイビー』と、『崖っぷちの女たち』が気になりますね。それと、クロード・ルルーシュ監督の『男と女III 人生最良の日々(仮)』も楽しみです。また、アニメ作品の『パリのディリリ』を親子でご覧いただいて、そのお子様がフランス映画の扉を開くきっかけになったりしたら嬉しいなと思います」

最終更新:6/19(水) 21:07
Numero TOKYO

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