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菊池雄星、ストレートにキレなく5敗目。単調すぎる配球、5回の投球から活路を見出せるか【雄星リポート16戦】

6/19(水) 17:02配信

ベースボールチャンネル

シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が18日(日本時間19日)、本拠地でのカンザスシティ・ロイヤルズ戦に先発登板。5回を投げて2被弾を含む9安打6失点で5敗目を喫した。5月中旬以来勝ち星から遠ざかっている左腕に、いま何が起こっているのだろうか。

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ボールの調子の見極めがうまくいかず

 立ち上がりから頼みのストレートが本来のキレを欠く苦しいピッチングだった。

 試合は1回表、先頭のメリフィールドに右翼前に落とされると、そこからモンデシー、ゴードンと単打を3つ連ねられて2失点を喫した。全てストレートを野手の間に落とされたもので、いつもほどのキレがなかったからヒットになったものばかりだった。

 2回には先頭のボニファシオにカーブを左翼線に運ばれて無死二塁のピンチを招くと、1死後、ロペスに左翼前安打、ハミルトンに四球を与えて満塁と絶体絶命のピンチ。ここからスライダーを多投して、辛くも無失点に抑えたものの、なんとかしのいだという印象は拭えなかった。

 3回には4番・ソレアにカーブを右中間スタンドに運ばれると、4回には、1死からロペスとハミルトンの連打で1死二、三塁のピンチを招くと、メリフィールドに対しては、カウント3-1から投じたスライダーを左翼スタンドに放り込まれて3点を失った。

 これほどストレートに勢いがないとやはり苦しい。それでもピッチングのメインにしていかなくてはいけない苦しさが今の菊池にはあるのかもしれない。2回のピンチを抑えた際には、スライダーで抑えられていたから、本来は初回から使うべきだったかもしれないが、過去の数試合は真逆だった。一つ一つのボールの調子を見極めるのがうまくいっていないのだろう。

不調時にどのような組み立てをしていくか

 今の菊池は本調子ではない。

 フォーム的なものと疲れの両面からの課題ではあるが、調子が悪い中でその日の使えるボール、そうでないボールの選別をしなくてはいけないが、その作業ができていないのだ。

 日本時代だと、ストレートが走らない際は、スライダーを遮二無二曲げることで腕の振りを改善していったが、それほどの余裕が今の菊池にはなく、その日決めたスタイルを貫くピッチングを繰り返している。

 配球面もここ数試合からの改善が見られない。

 菊池の今の投球はコースによって配球が決まっている。
 右バッターにはインコース一辺倒で、アウトコースにほぼ投げることはない。この日、下位打線に対して5球ほどチェンジアップを投げたのは投球の打開をしようと探っているからだと見られるが、上位打線にはほとんど単調な攻めに終始している。唯一、キレのあったスライダーを4回に本塁打されたのも、コースによって球種が限定されやすいからである。

 左打者の場合は、インコースにはほとんどストレートしか投げない。打者からすれば外に目をつけておきながら、インコースはストレートのみとケアするだけでいいのだから、今日のストレートの調子を考えれば攻略はそう困難ではない。

 一方、今後の参考にしたいのは5回表のピッチングだ。

 コントロールミスなのか、意図的だったのかはわからないが、右打者に対して、ストレートやスライダーをアウトコースに投げていた。さらには、チェンジアップを数球使うなどの試投も見られた。2死から四球を出したのはもったいなかったが、4番のソレア、5番カスバートを連続三振に切って取るなど、それまでとは異なって立体的に攻めることができていた。

 菊池が開幕の頃のような絶好調な状態なら、150キロを超えるストレートと鋭く曲がるスライダーをインコースに投げ込むことで勝負できる。時折、挟むカーブも効果的にはなるであろう。しかし、現状はそれほどのボールを投げられているわけではない。コースを散らすこと、チェンジアップを配球に組み込むことで、目線を変えることができるはずなのだ。

 苦しいピッチングは、これからも数試合続くだろう。

 この日のピッチングを菊池なりに、どう分析するかが課題になる。もちろん、持ち味のストレートとスライダーの改善、チェンジアップのレベル向上も課題にはなるが、5回に垣間見せた微かな光から何を見出すか。次戦のピッチングへどう繋げていくかを注目したい。


氏原英明

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:6/19(水) 17:02
ベースボールチャンネル

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