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あんなに家族第一だった中国人はどこへ行ったのか

6/19(水) 6:00配信

JBpress

 “仕事よりも家族が大事”だった中国人に異変が起きている。かつては妻の出産時には休暇を取るのが当たり前。しかし、仕事に忙殺され、出産に付き添えない夫が増えてきた。中国・上海の投資コンサルティング会社に勤務する山田珠世氏が、中国人のワークライフバランスが崩れつつある状況をレポートする。(JBpress)

■ 「配偶者出産休暇」を取得できない

 中国では、妻の出産時に夫が病院に付き添うのはごく当たり前のこと。つい最近まで、そう思っていた。

 筆者が上海市内の産院で3人の子どもを出産した際、中国人の夫は当然といった様子で、出産当日から休みを取り、退院までの3日間付き添ってくれた(中国では自然分娩の場合、入院期間は3日間となっている)。夫は病室に寝泊まりし、甲斐甲斐しく世話をする、とまではいかないものの、入院中はずっとそばにいてくれた。

 出産後に、入院している周りの人たちを見わたしてみても、旦那さんがそばにいるか、母親または姑らしき人が常に付き添っていたから、日本とはずいぶん違うものだと感じたものだ。10年ほど前の話である。

 ところが、最近はずいぶん様子が変わってきているらしい。配偶者出産休暇を取得しない、またはできない人が増えてきているというのだ。

 ビジネスSNS(交流サイト)「LinkedIn(リンクトイン)」が出産後2年以内の働く女性1100人を対象に行った調査によると、35%が「夫は配偶者出産休暇を取得しなかった」または「夫は仕事のために配偶者出産休暇の取得をあきらめた」と回答していることが分かった。

 メディアは「休暇を取得できなかった人が35%もいた」といったマイナスのニュアンスで報道していた。確かにその通りだ。昔は、中国ではほとんどの男性が妻の出産時には休暇を取っているように見えたし、実際そうだったのではないかと思う。

■ 仕事が忙しすぎて・・・

 筆者のまわりにいる5~10年前に出産した中国人の女性たちは、ほとんどが出産時に夫が休暇を取って付き添ってくれたという。

 ところがここ数年、普段から目が回るほど仕事が忙しく、妻の出産時にも付き添えないという人が増えているようだ。

 産婦と乳児の世話に特化したベビーシッター「月嫂(ユエサオ)」をしている友人によると、「正常な会社に勤める男性であれば、1週間から10日の配偶者休暇を取り、妻に付き添う」。ただ最近では、妻の出産時に夫が仕事のため病院に駆けつけられない、というケースもあるという。「昔は、妻が出産する際には、夫が付き添うのが当たり前だったのに」と話す。

 ネット上で、北京市で数カ月前に出産した女性の話が紹介されていた。

 北京市には、15日間の配偶者出産休暇を取得できる制度がある。だが、彼女の夫の会社では「配偶者出産休暇」を取得した前例がないため、夫は有給を3日だけ取得した。彼女は「夫の会社は保険会社。15日も休暇を取ると業務に影響するため、上司から許可が出ないだろう」と話したという。

 仕事よりも家族を大事にする中国人が・・・と信じられない気持ちになったが、これが中国の現状なのだ。

■ 日本の男性の取得率は? 

 少し古い資料になるが、日本で内閣府子ども・子育て本部が2016年に行った調査によると、2015年に配偶者が末子を出産した被雇用者の男性約1000名のうち「配偶者の出産後2カ月以内の休暇の取得率」は55.9%だった。日本の場合は中国と逆で、「意外に取得率が高い」と感じた。

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最終更新:6/19(水) 6:00
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