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ベネチアで入港反対運動再燃。深刻化するクルーズ船の環境破壊、健康被害

6/19(水) 15:30配信

HARBOR BUSINESS Online

 本サイトでも奄美大島で進むクルーズ船寄港計画などを取り上げたが、世界各地でクルーズ船の「問題」が噴出している。(参照:“環境汚染、行方不明、ブラック労働……。ブームの陰で本当はヤバイ豪華客船クルーズ旅行|HBOL”)

事故を契機にクルーズ船抗議運動が再燃

 6月2日、イタリアのベネチアで6万6000トンのMSC社の大型クルーズ船「Opera」がベネチア本島の停泊港に向かう途中ラグーン(潟)のジュデッカ運河で遊覧船「River Countess」に衝突して後者に乗船していた観光客の間で幸いにも死者は出なかったが4人が負傷するという事件が起きた。この事件を切っ掛けに大型クルーズ船がラグーンに入って来ることに反対する抗議が再燃した。

 理由は深刻な大気汚染を誘発しているからである。(参照:「El Pais」、「El Espanol」)

「この2~3年前からバルコニーで洗濯物を干すのをやめた。私はジュデッカ島に住んでいて、私の家はベネチア本島の真向かいにある。毎朝起きると重い空気を吸っているように感じている」と取材に答えたのは舞台女優のサビナ・トゥトネさんである。

 彼女が語っていることは正にクルーズ船による大気汚染がベネチアの住民の健康を損なう要因をつくっていることを如実に示すものである。

深刻化するクルーズ船による環境汚染

 最近はヨーロッパでもクルーズ船での旅行に人気があるが、クルーズ船の燃料は重油で硫黄分や微小粒子物質を多量に含んでいるため健康障害や環境破壊を誘発する要因になり易い。それが僅かのクルーズ船の通過であれば問題は少ないが、イタリアのテレビ局La7が発表した報告によると、ベネチアでは年間594隻が入港しているというのは深刻な問題である。クルーズ船はそれが停泊中もエンジンは作動させているため24時間大気を汚染しているのである。余り知られていないが、客船のデッキも汚染された空気で満たされて健康を損なうには十分な場所である。

 更にベネチアの住民の間で問題が起きている。電磁波汚染である。テレビの画像受信やインターネットの受信に問題が発生するケースが起きているのだ。

 ラグーンの海底でも問題が発生している。船の全長が300メートルで10万トン以上の船になると海底の溝が深まって傷つけられて海底の生物の生態系に悪影響を及ぼすようになっているそうだ。(参照:「El Espanol」)

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最終更新:6/20(木) 2:28
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