ここから本文です

ファーウェイつぶしは中国の5Gを叩く手段だ

6/19(水) 5:30配信

東洋経済オンライン

 米中関係が貿易摩擦から”長期的なハイテク冷戦”へと変化していく様相がますます濃厚となってきた。中国国務院新聞弁公室が6月2日に発表した、「中米経済貿易交渉における中国側立場に関する白書」(以下、「白書」)の中には、このことを強く示唆する表現がある。

 「アメリカ政府の欲望には際限がない。『いじめ』的な態度と極限まで圧力を加えるという手段で、不合理な高値を吹っ掛け、経済貿易摩擦が始まって以来進めてきた追加関税を取り消すこともなく、中国の主権に関わる強制的要求を曲げず、双方に残された食い違いを埋めることを遅らせている」という一文だ。

■アメリカを「いじめ」「圧力」と非難

 「欲望に際限がない」というアメリカに関する形容は、中国の立場から見れば、まさに心情を吐露した表現だと思われる。2018年2月から今年5月まで、計10回にわたる通商交渉が行われたが、一貫してアメリカが中国に要求を迫り続け、中国側はこれに譲歩してきたからだ。

 アメリカは貿易赤字の縮小や強制的技術移転、産業補助金、『中国製造2025』の取り下げなどを要望しながら、交渉途中で2度、追加関税の脅しをかけてきた。中国は一貫してこれらに譲歩し、第9回交渉(2019年4月3日~5日、ワシントン)では、協議締結にあと一歩のところまで漕ぎつけた。

 しかし、第10回交渉(2019年4月30日~5月1日、北京)で突然、問題が発生。アメリカのトランプ大統領がツイッターで、中国に対する追加関税を宣告し、情勢が急転直下したのだ。

 この時点で中国側は大いに落胆していたが、それでもワシントンでの第11回交渉(5月9日~10日)に臨んだ。しかし、アメリカは新たに華為技術(ファーウェイ)を輸出規制リストに入れ、米中摩擦を経済貿易の範囲外にまで拡大させた。そしてトランプ大統領は、ファーウェイ問題も協議の中に含む、と言ったのだ。

 1年余りの交渉を通じて中国が最後に分かったのは、アメリカは貿易赤字問題よりも、中国の生産技術の進歩、特に次世代通信規格「5G」において中国が先行することを許さないという本音であろう。ファーウェイを「エンティティリスト(輸出規制リスト)」に入れ、ファーウェイをつぶすことで、5Gやそれに関連する自動運転、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)などの先端技術開発をすべて遅らせ、アメリカの覇権を維持しようという狙いだ。

1/3ページ

最終更新:6/19(水) 5:30
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

あわせて読みたい