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大谷翔平のサイクルは球史に残る?ノーヒッターよりレアな“勲章”か。

6/19(水) 8:01配信

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 つけっ放しにしていたテレビから、「イチロー」という声が聞こえたのは、6月15日の午後だった。

【秘蔵写真】意外と見たことない? かわいい大谷翔平、不敵な中田翔、投手・丸&イチローらの高校球児時代。

 声の主はイチローの(数ある内の1人の)元チームメイトのエリック・バーンズ。ソフト・モヒカンがトレードマークの現解説者である。

 MLBネットワークの番組で取り上げられていたのは、エンゼルス大谷翔平のサイクルだった。バーンズは大谷がいかに素晴らしい打者であるかを熱弁しているうちに、同じ日本人である「イチロー」に辿り着き、こうまくし立てた。

 「ショーヘイ・オータニは、パワーのあるイチローみたいなものだ。でも、実際のイチローはパワーもあったんだ。信じられないかも知れないけど、打撃練習では僕が今まで見た誰よりもホームランを打っていたのだからね。イチローがサイクルを達成してなかったってことの方が僕にとっては驚きだよ」

 テレビに出ていた他の若い共演者は、きょとんとしていた。

 まるでそれが放送事故か何かのように。

ノーヒッターみたいなものでしょう?

 無理もない。バーンズの話を聞いていた人々はスタジオで番組を進行させる人たちで、元野球選手でもなければ、イチローが現役時代に所属していたマリナーズやヤンキースやマーリンズのテレビ中継局の人間でもない。

 現役時代、イチローが打撃練習で豪快な打球で「柵越え」を連発していたのは、その現場にいたメディアの人間なら誰もが知ることだが、その現場を見たことのない人々にとっては実感のないことだ。

 面白かったのは、出演者の1人がそれを「Really(本当)?」と軽く受け流した後で、無邪気に「サイクルって、ノーヒッターみたいなものでしょう?」と尋ねたことだった。

サイクルのレア度を調べてみた。

 念のため書いておくと、アメリカでは「サイクル・ヒット(安打)」という言い方はせず、単に「Cycle=サイクル」と言う。「ノーヒットノーラン(無安打無得点)」とは言わず、「No Hitter=ノーヒッター」と言うのと同じだ。 

 バーンズは話すリズムを少し落ち着かせて、こう答えた。

 「サイクルはノーヒッターみたいに、試合中に誰もそのことに触れなくなるなんてことはないけど、そうだね、とてもレアな記録という意味ではノーヒッターみたいなものかも知れない」

 確かに大谷のサイクルはメジャーでは日本人選手初であり、珍しいことには違いない。

 だが、「ノーヒッターほど珍しくはないだろう?」という先入観があったので、ちょっと調べてみた。

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最終更新:6/19(水) 12:05
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