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分配型投信、新世代が人気 分配金控えめで長生き対応

6/20(木) 7:47配信

NIKKEI STYLE

個人投資家の毎月分配型投信離れが続く一方で、新たなタイプの分配型投信に資金が流入している。「予想分配金提示型」と「目標払い出し型」の2タイプで、いずれも従来の毎月分配型に比べ分配金の金額が控えめで、分配ルールも分かりやすいのが特徴だ。毎月分配型は資産の収益を大きく超える分配金を出す点が金融庁に問題視されたが、新タイプは分配金によるマイナスの影響を抑えることを目指す。「人生100年時代」ともいわれる高齢化が進むなか、長生き対応商品として注目が集まっている。

■純資産残高は右肩上がり

予想分配金提示型の純資産残高は2019年5月末時点で5010億円と1年前に比べ86%増えた(QUICK資産運用研究所調べ)。同タイプの投信は基本的に組み入れ資産のインカムゲイン(利子や配当収入)やキャピタルゲイン(値上がり益)から分配し、分配金は基準価格の水準に基づいて決める。

目安となる基準価格や分配金の額はファンドによって異なるが、例えば基準価格が1万円から1万1000円の場合は100円、1万1000円から1万2000円では200円、1万2000円から1万3000円では300円という具合だ。分配金が切りのよい金額であり、分配ルールも明確で分かりやすい。
予想分配金提示型投信の純資産残高ランキングをみると「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」シリーズが1位、2位を占めた。同シリーズは利益成長性が高いと判断した米国株式に集中投資するアクティブファンドで、過去3年ではベンチマーク(S&P500種株価指数・配当込み)を大きく上回る運用成績を残している。14年にファンドマネジャーが交代して以降、運用成績が向上した。
3位、4位に入ったのは18年10月に設定された「野村ACI先進医療インパクト投資」シリーズだ。「先進医療」をテーマとしているほか運用業界で重視されている「インパクト投資」の視点からも銘柄を選んでいる。インパクト投資とは投資を通じて環境や社会、企業統治などに有益な影響(インパクト)を与えることを目指すもので、同シリーズは「SRI(社会的責任投資)ファンド」の国内純資産残高の約半分を占めている。


新タイプのもう一つである目標払い出し型は年3%、5%などと分配目標が一般的に定率で決まっていて、目標通りに分配金を出す。純資産残高は19年5月末時点で前年同月比19%増の1955億円となった。

目標払い出し型は2つに大別できる。分配目標が3%程度と低く、分配金を出しても基準価格が大きく下がらないことを意識した「控えめタイプ」と、分配目標が10%以上と高い「多めタイプ」だ。現在注目されているのは控えめタイプ。運用成績によっては分配金が元本の取り崩しになる場合があるが、目標水準を控えめに設定しているため基準価格が大きく下がるリスクは小さいとされる。
目標払い出し型投信の純資産残高ランキングでは「野村ターゲットインカムファンド(愛称:マイ・ロングライフ)」が首位となった。控えめタイプに分類される。海外債券の比率が高いバランス型ファンドで、インカムゲインを増やすためオプション取引を組み合わせるなどの工夫をしている。目標の分配金利回りは年率3%。金額ベースにすると現在は隔月で50円の分配金を出している。
三菱UFJ国際投信が運用する「わたしの未来設計<安定重視型>(分配コース)」も控えめタイプで、国内債券への投資比率が高いバランス型投信だ。このファンドは分配金目標を利回りでなく金額で提示している。隔月分配で、現在の目標分配額は20円。分配金利回りに換算すると年1.2%になる。目標のリスク水準も定めており、リスクの度合いを示す標準偏差は5%程度と小さい。


控えめタイプでは基準価格が大きく下がらないように考慮したファンドが多く、背景には「金融ジェロントロジー」の考え方があるとみられている。金融ジェロントロジーとは「金融」と「老齢学」をあわせた新たな学問で、米国で研究が進んでいる。日本では慶応義塾大学や野村ホールディングス、三菱UFJ信託銀行などが取り組みを強化しているほか、金融庁が17年に行政方針で触れたことで注目が集まった。

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最終更新:6/20(木) 12:15
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