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「年金100年安心」の真意 支給減らせば制度を100年維持できる

6/20(木) 16:00配信

マネーポストWEB

 政府は、6月11日発表の「経済財政の基本方針(骨太の方針)」で、働く高齢者の年金を減額する「在職老齢年金制度」(在老)の“廃止”を打ち出した。現在、60~64歳までは月給と年金の合計収入が28万円、65歳以上は47万円を超えると働き続ける限り年金がカット(支給停止)される。これが早ければ2021年に廃止となると見られている。

 在職老齢年金制度の廃止を喜んでばかりはいられない。働く人の「年金カット廃止」は、政権が用意した国民への“アメ”だ。参議院選挙が終われば、政権は「年金財政の健全化」を大義に、国民に大きな“ムチ”を振るう。

 厚労省が6月に公表するとみられていた「財政検証」の結果公表を先送りにしたのは、そこから改悪の全貌が見えてしまうことを危惧したからだろう。いち早く全容を知り、対策を講じなくてはならない――。

 安倍晋三・首相の口から久しぶりにこのフレーズが飛び出した。

「マクロ経済スライドも発動されましたから、いわば『100年安心』ということは確保された」

 金融庁報告書の「年金不足」問題で紛糾した参院決算委員会(6月10日)の質疑で、そう答弁してみせたのだ。

 この期に及んでもまだ「安心」と言い張るのか――そう抗議したくなるのは当然だが、実は安倍首相は嘘を言っているわけではない。

「自動減額システム」が発動

 若手議員時代から厚労族議員として鳴らした安倍首相は、「100年安心」の本当の意味を正確に理解している。

 年金制度は現役世代が負担する保険料で、65歳以上の人に年金を支払う「世代間扶養」の仕組みだ。少子高齢化で年金受給者が増え、現役世代の人口や給料(保険料)が減れば年金財源を賄えなくなる。

 そのため、制度が破綻しないように平均寿命の伸びや人口減少、経済状況に応じて年金給付水準を自動的に引き下げるマクロ経済スライドという制度が2004年の小泉政権の年金改革で導入された。いわば年金受給者に対する「自動減額システム」だ。

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最終更新:6/20(木) 16:00
マネーポストWEB

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