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車は1人1台が当然の地域で免許返納した78才男性 揺れた心

6/20(木) 16:00配信

NEWS ポストセブン

「高齢者の事故や免許返納のニュースを見ると『(返納を)ぼちぼち考えないかんな~』とわが家でも話題にはしてたんですけど、他人事やったんやね。それだけに、いざ自分が言われた時にさみしさとショックでね。『なんでぼくなん?』って言葉が出てきて。

 そんなぼくに妻は『娘からも相談されててね。心配してるのよ』って言うんです。父親は娘には弱いですからね(苦笑)。そうかぁ…と。

『次の更新の時に考えてみてね』って。その時は話はそこまで。そのあと何度か、『考えてみてね』って妻に言われましたね。娘から直接言われたことはなくて、あんまり言うのもいかん、妻とそんな相談してたんじゃないですかね。

 妻からそう言われて初めて、家族がどれほど心配していたかと気づきましてね。元気やいうても75才を超えてますからね。それから事故のニュースが気になりだして、友人に相談してみたりするうちに、運転を続ければいずれ自分が加害者になるかもしれない、事故になれば被害者であっても家族に大きな負担をかけると思い始めたんです」

◆揺れた気持ちと「潮時だな」の決意

 踏ん切りをつけたのは昨年の暮れ。免許更新のはがきが届いた時だ。

「更新がもっと先ならまだ運転していたかもしれません。私の場合はたまたま今年の2月が更新だった。そのはがきを見て、前回は高齢者講習を予約したなぁと思い出しながら、『(更新を)やめとこう』って思ったんです。安全運転できてると自信過剰になってるんじゃないかとか、もう若くないんだからなどと考えて、運転も潮時だなと返納を決意したんです」

 とはいえ、返納後の生活を想像すると気持ちは揺れた。

「その頃、講演依頼があったんです。3月分の依頼もあって、車なら50分ほどの土地なんですが、電車やバスを乗り継ぐと3時間を超える。先方には、移動が大変だからとお断りしたんですが、最寄り駅まで迎えに行きますとおっしゃっていただいたんです。都市部ならまだしも、田舎では車のない移動はひと苦労ですからね。迷惑かけるなぁという思いを感じて葛藤がありましたね。

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最終更新:6/20(木) 16:00
NEWS ポストセブン

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