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デジタル時代の漫画の未来を切り開く:「マンガ図書館Z」が目指すこと

6/20(木) 13:30配信

nippon.com

海賊版漫画サイト対策として、漫画家の赤松健さんは作者許諾の下に過去作品を広告付きで無料配信し、利益を作者に還元する「マンガ図書館Z」を運営している。また、自動翻訳やYouTubeなどを活用した実験プロジェクトなど、デジタルで読む漫画の未来を切り開くための試みに精力的に取り組む。

試行錯誤する海賊版対策

アクセス数1億超と言われた「漫画村」(2018年閉鎖)など、悪質な海賊版サイト対策のため、政府はさまざまな対策を推し進めようとしている。だが、ネット利用者のアクセスを強制的に絶つ「ブロッキング」、漫画を含む著作権侵害物のダウンロード(DL)を全面的に禁止する方向での法整備はいずれも反対意見が強く、今国会での法案提出には至らなかった。

ブロッキングに関しては、憲法が保障する「通信の秘密」を侵害しかねないとの反対論が根強く、DL違法化では漫画家側からの異論があった。『ラブひな』などで知られる漫画家・赤松健さんもその一人だ。海賊版対策を巡り、日本漫画家協会常務理事として与野党の政治家に向け積極的なロビー活動を続けている。

「静止画DLを違法化しても、『漫画村』のようなストリーミング方式のサイトは規制できません。その一方で、例えば “スクショ”(=スクリーンショット)に著作権法的に微妙なものがあると違法とされる可能性があり、市民生活に多大な影響を与えかねません」と赤松さんは言う。「漫画家を守るためにそこまでするのかと世間の大きな心理的抵抗が予想される。その措置は厳し過ぎるというのが多くの漫画家たちの意見です。ただ、“リーチサイト”(=海賊版のURL集)は問題。リーチサイト規制も法案に入っていましたが、今回一緒に見送られてしまったのは残念です」

海賊版を巡る法整備は今後も試行錯誤が続く。一方、赤松さん自身は、漫画家の利益を守るためにさまざまな実験的な試みを実施している。その実験のプラットフォームとなっているのが、「絶版」となった漫画の無料配信サイト「マンガ図書館」だ。

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最終更新:6/20(木) 13:50
nippon.com

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