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インスタで再燃した不適切投稿を巡るコンプライアンス問題

6/20(木) 10:46配信

日経BizGate

かつての故意的な「バカッター」騒動は教育・研修で沈静化

 アルバイトなどによる不適切な行為を収めた動画がSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に投稿されて拡散され、企業が対応を迫られる事態が再び相次いでいる。こうしたいわゆる「バイトテロ」の中には株価に大きく影響したと考えられる事例もあり、企業にとっては無視できない。従業員の不適切投稿を巡る問題について企業はどのように考えていくべきだろうか。

 従業員による不適切投稿のリスクは、企業にとって目新しいものではない。

 2007年に大手牛丼チェーンのアルバイト店員が豚丼を10センチ山盛りした「テラ豚丼」を作った様子を撮影してニコニコ動画に投稿し、これが不衛生だと炎上して動画が拡散された。

 同時期に、当時人気のあったSNSサービスのミクシィ(mixi)で、別の飲食チェーンで働くアルバイトがこの件に触れて自身のアルバイト先で「ゴキブリを揚げていた」という趣旨の書き込みを行い、ネットリンチ状態にまで発展した。

 2011年頃からは、「炎上」のスピードと範囲が一気に広がりを見せる。ホテルの従業員などが自身のツイッター(Twitter)アカウント上で情報漏洩にあたる書き込みを行い、拡散されて問題となる事例が多発した。

 2013年にはツイッター上での問題投稿を表す「バカッター」という言葉が流行語大賞の候補にノミネートされるなど、大きな社会問題にまで発展した。

 これらの問題は、外食チェーンやコンビニ、ホテル等の業種で、人件費低減のために、企業等の組織への帰属意識が希薄なアルバイト・パートを従業員として大量に雇用せざるを得なくなっているという「労働を巡る環境の変化」、並びに、SNSの普及によって、従業員個人が直接社会とつながり、あらゆる情報を瞬時に拡散できるようになったという「情報を巡る環境の変化」――の二つが競合した「環境変化の競合」によって発生した問題ととらえることができる。

 企業等の組織と社会との関係を具体的に形成していくのは、その組織活動を担う構成員であり、組織の構成員は、自分の行動によって、組織と社会の関係にどのような影響が生じるかを意識しながら行動しなければならない。しかし企業との関係が一時的なものに過ぎないアルバイト・パートは、そもそも組織の構成員であるという帰属意識が希薄だ。企業と社会との関係を意識して行動できない人間が出てくることは致し方ない面がある。

 企業側は、アルバイト・パートに対しても、最低限必要な組織への帰属意識をもってもらうこと、そして自らの行動が企業と社会との関係にどのような影響を与えるのかを認識させる方向での教育・研修を徹底することを対策として行った。また、アルバイト・パートを送り出す学校側でもSNSの活用に対する教育が行われるようになり、2014年以降、故意的な「バカッター」騒動は沈静化した。

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最終更新:6/20(木) 10:46
日経BizGate

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