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「まだ始まったばかりだ」: GDPR から1年、さらなる罰金を予測する広告業界

6/20(木) 8:10配信

DIGIDAY[日本版]

現状維持に甘んじてしまうことは危険だ。広告業界の関係者に取材したところ、多くの会社が一般データ保護規則(GDPR)について、このトラップにハマっているようだ。

広告収益を維持するために、とにかく最小限の対策だけを行いたい、という気持ちは強い。また深刻に心配するほどの罰金はパブリッシャーには取り立てられていない、という現状もあり、厳重なアプローチでもってユーザーたちの同意を獲得していたパブリッシャーのなかにも、それを緩めるところが出てきている。競合たちが成長している一方で自分たちの広告収益が減ってしまい、GDPRが原因で損をしている感覚を軽減するためだ。

「現状維持に甘んじる、一定の空気が流れている」と、アドテクベンダーのサブライム(Sublime)COOであるアンドリュー・バックマン氏は言う。「多くの人々が規制当局から罰則を受けない限りは、このままを続けて、『収益が減るのであれば何の意味があるのか』と疑問を持つようになるだろう」。

それでも、Googleを含めたアドテク企業による、プログラマティック広告におけるリアルタイム入札技術に対して、プライバシー・アクティビストたちは継続してクレーム申請を続けている。最近ではオランダ、ベルギー、スペインから申請が出ている。現状の形でリアルタイム入札が続けられるかどうかは、現状を維持したいと考える企業とプライバシー・アクティビストたちのあいだの深刻な対立を生んでいる。

GDPRに関して厳しいアプローチをとったアドテクベンダーたちも、手短な変更だけでことを済ませた、ほかのライバルが多数存在することから、損をしたと感じている。「法律を文字通りに受け取る、厳密なアプローチを我々はいまでも採っているが、そのことでダメージは出ているだろう」と、アドテクベンダーのソブロン(Sovrn)CEOであるウォルター・ナップ氏は言う。「ユーザーにわざと誤解させるような『ダークUIパターン』を使うことは我々はしていない。規制を無視して当局にバレないよう祈る、というような態度は取らなかった。しかし、他社にはそういう行動をしているところがある、という証拠がある。それは我々の損になっているか、と聞かれたら間違いなくイエスだ。自分がルール通りにプレイしていて、ほかはしていないのだから」。

規制当局は数多くの捜査を現在進行中だ。アイルランドのデータ当局は52のケースを調べている。そのうち11はFacebook、ワッツアップ(WhatsApp)、インスタグラム(Instagram)に関係しており、3つがTwitter、2つがApple、1つがリンクトイン(LinkedIn)、そしてもう1つ、クワントキャスト(Wuantcast)だ。Googleは依然として、フランスの当局CNILからの5700万ドル(約61億円)の罰金に直面している。

「多くの人が、昨年5月がクライマックスだと思っていたが、本当はあれははじまりに過ぎなかった。GDPRが業界に与える影響という点ではまだ20%にも達していない。長い道のりが待っている」と語ったのは、インフォサム(InfoSum)の営業部門バイスプレジデントであるスチュアート・コルマン氏だ。

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最終更新:6/20(木) 8:10
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