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FRBのパウエル議長の記者会見-Sustain the expansion

6/20(木) 9:57配信

NRI研究員の時事解説

はじめに

今回(6月)のFOMCは金融政策の現状維持を決定した。もっとも声明文では、経済見通しに関する不透明性とインフレ圧力の弱さを指摘し、景気拡大の維持に向けて適切な政策対応を行う姿勢を明記した。dot chartも年内に2回の利下げを予想するメンバーが相当なウエイトに達したことを示すなど、全体として金融緩和バイアスをアピールする内容となった。

景気と物価の判断

米国景気の現状については、声明文の中で、景気拡大のペースに対する評価を力強い(solid)から緩やか(moderate)に下方修正するとともに、設備投資に関する指標の弱さを指摘している。一方で、個人消費は年初の弱い状況から回復したとしており、質疑応答の中でもパウエル議長は、雇用や所得、マインドといったファンダメンタルズの良好さを強調した。

より長い目で見た経済の展望に関して、今回改訂された見通し(SEP)は、実は前回(3月)とほとんど変わっていない。つまり、2019~21年についての実質GDP成長率見通し(median)は、+2.1%→+2.0%→+1.8%とされ、前回(3月)からの変化は2020年が+0.1pp上方修正されただけであった。ただし、この2020年の見通しのレンジは、前回(3月)が+1.7%~+2.2%であったのに対し、今回(6月)は+1.5%~+2.3%へ主として下方に拡大した。

物価の現状に関しては、声明文の中で、コアインフレ率が目標を下回ったまま推移している点に言及するとともに、市場ベースのインフレ期待が低下したと評価した。加えてパウエル議長は、記者会見の冒頭説明でサーベイベースのインフレ期待も長い目で見て低い状況にあることを確認するなど懸念を示した。
ただし、より長い目で見た物価の展望も、今回改訂された見通し(SEP)は前回(3月)からあまり変わっていない。つまり、2019~21年についてのコアPCEインフレ率見通し(median)は+1.8%→+1.9%→+2.0%とされ、前回(3月)に比べて、2019年が0.2pp、2020年が0.1ppだけ各々下方修正された。なおレンジに関しては、2019年について、前回(3月)が+1.8%~+2.2%であったのに対し、今回(6月)は+1.4%~+1.8%へ下方にスライドしたことが注目される。

これらを踏まえると、FOMCとしては、緩やかな景気拡大の継続というメインシナリオを堅持する一方、先行きに関する不透明性が従来よりも増したと評価したことがわかる。この点も声明文に明示されているほか、パウエル議長は、記者会見の冒頭説明や質疑応答の中で、前回(5月)のFOMCの時点に比べて、貿易摩擦の展開や海外経済の動向を中心に不透明性が高まったとの見方を強調した。

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最終更新:6/20(木) 9:57
NRI研究員の時事解説

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