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チリ戦分析:個々の奮闘とグループとしての日本の欠陥

6/20(木) 21:54配信

footballista

平野将弘の日本代表テクニカルレポート

若手中心の陣容で20年ぶりのコパ・アメリカに挑んでいる日本代表。初戦は王者チリ相手に0-4の完敗を喫した。欧州の現場を知る指導者の目にこの一戦はどう映ったのか。イングランドのカーディフでコーチを務める平野将弘氏が分析する。

文 平野将弘(カーディフコーチ)


 格上のチリ相手に奮闘した――試合のバックグラウンドや様々な要素を考慮したうえでの、私の率直な感想だ。

 結果だけ見れば0-4。試合内容も負けに値したことは認めざるを得ない。ただし、客観的に見てみるとそこまで落胆するほどでもない。多くの選手が東京五輪世代で構成されたスカッドで臨んでいることを考えればなおさらである。

 ただ、格上相手に個々が奮闘していたのとは裏腹に、チームやグループとして日本が長年抱えている大きな戦術的欠陥が散見されたのも事実である。これらを見極め、分析や練習し、実行して再評価するのは彼ら次第であり、彼らの仕事だ。

 そうしたチームの状況も踏まえて、今回の記事では1:ボール保持時、2:ボール非保持時、3:トランジションの3局面にフォーカスして日本のパフォーマンスを分析する。

1:ボール保持時

 私は森保ジャパンを「基本的にはショートパスを繋ぎながらボールを保持して点を奪おうとする」チームだと見ている。実際、この試合のロングパス使用率を見てみると、チリの15%に対して日本は10%。相手よりもショートパスを使う割合が高かった。ボール保持自体は45%で相手に譲ったが、それでも日本がショートパス主体に攻撃を組み立てようとしていたことがわかる。ただ、エルサルバドル戦(同7%)と比較するとロングパスが増えていた。この試合ではビルドアップの際に出口やサポートがなく、苦し紛れに前に蹴って相手に取り返されてしまう場面があったことが数値となって表れたのだろう。そうならないための解決策を見つけるか、あるいは蹴らざるを得なかった際の決まりごとを作ることが大切だ。

 このほかのスタッツで試合を象徴していたのがパス成功率だ。日本の数値を見てみると前半は78%だったのに対し、後半は86%まで上昇している。ただ、これは日本のパフォーマンスが改善したというよりは、リードを広げていったチリのプレスの位置と強度が変化したことによるものだろう。逆に言えばフルメンバーではないとはいえ、自陣に籠って守備をするのではなく前線からボールを追ってくる相手とこの真剣勝負の舞台で試合ができたことは、まだまだ安定感がない後方からのビルドアップをレベルアップさせる絶好の機会となったはずだ。

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最終更新:6/20(木) 21:54
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