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税務調査でどこをチェックしている?「業種別」のポイント

6/20(木) 12:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

本連載は「税務調査を支援する税理士の会」著、株式会社エッサム編集協力、税理士法人クオリティ・ワン代表社員・渡邊勝也税理士監修の『オーナー社長のための税務調査完全対応マニュアル』(あさ出版)から一部を抜粋し、税務調査の連絡を受けた中小企業オーナーの役に立つ対処法等を紹介します。今回は、税務調査への対応における業種別の注意点等について見ていきます。

目に見えない「外注先の棚卸資産」は漏れがち

同族関連会社の注意点

同族関連会社がある場合、同族間の業務請負等の取引に注意する必要があります。所得を分散して法人税を減額したり、一方が消費税の免税事業者または簡易課税だったりすると、消費税の納税額を減らすために請負契約をすることがありますが、これらは否認される可能性があります。

寄附金にも注意が必要です。100%出資の親会社・子会社だとグループ税制があるために、寄附金という発想はありませんが、そうではない場合、たとえば従業員が少しだけ株を持っていたり、片方の会社に親族ではない株主がいる場合には、業務請負自体が架空とみなされ、寄附金として否認される可能性があります。

また、出向先で役員になって、賞与が出た場合、事前確定届出給与を出していない場合は否認されるので注意が必要です。

業種別の注意点

業種別の注意点としては次のようなものがあります。

●建設業

・架空もしくは水増しの「外注費」

キックバックやディベートが多い業界なので、この資金を捻出するために架空や水増しで外注費を計上することがあるが、認められません。

・未成工事支出金を完成工事に振替

未成工事の経費の一部を完成工事の費用として計上していないかどうかです。

・大規模・赤字工事

金額が大きい場合や赤字の場合には特に厳しくチェックされます。

・重層発注

業界にはまだ談合が残っているので、たとえばA社から請けた仕事をほとんどそのままの内容でB社に流した場合、A社とB社の請求書をチェックされ、重層発注と認められると否認される可能性があります。この場合、隠ぺい仮そうになります。

●製造業

・外注先等の棚卸資産計上漏れ

自社の棚卸資産はきちんと計上していても、目に見えない外注先の棚卸資産は漏れがちです。営業車で全国を回る企業などは、営業車に積んである棚卸資産についても確認します。

・インセンティブを売上割戻し

販売店のインセンティブを売上割戻しにするのは認められません。

・機械等の修繕費

機械や工場の内装などを資本的支出にせず、修繕費にすると指摘されます。

・研究開発費

本来、資産として計上すべき部分を全額費用にしていないかどうか確認されます。

●IT業界

・エンジニアの外注費

外注費なのか給与なのかは厳しくチェックされます。税務署としては、消費税や源泉所得税のこともあり、できるだけ給与にしたい気持ちがあります。

・リバースチャージ方式

「事業者向け電気通信利用役務の提供」については、「特定課税仕入れ」とされ、消費税の計算でリバースチャージ方式という新しい計算方式で申告します。リバースチャージ方式で消費税納税額が多くなる可能性があるので、対応しているかどうかは確認されます。

●運送業

・軽油引取税

軽油引取税は基本的には消費税対象外なので、課税取引で扱っていないかどうか確認されます。

・法定資料との整合性

タコメーターや運転日報などの資料と整合性があるかどうかを見られます。

・傭車料と給与

車が持ち込みだからといって、外注費にしていいとは限りません。会社が指揮・命令している場合には給与と車の賃借料と考えることができます。

・車両の修繕費

資本的支出になる部分はないかどうか確認されます。

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最終更新:6/20(木) 12:00
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