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「老後2000万円問題」金融庁炎上の陰で公取委がほくそ笑む理由

6/20(木) 6:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 一向に火の手が収まらない「老後2000万円問題」。報告書をまとめた金融庁と政権与党との間に大きな亀裂が生じる中で、その様子を陰で笑っている組織がある。公正取引委員会だ。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

 金融庁が6月3日に「高齢社会における資産形成・管理」という報告書を公表して以降、徐々に非難の火の手が上がっていった「老後2000万円問題」。

 高齢者世帯の一つのモデルケースとして、金融資産が約2000万円不足するというシミュレーションを示したにすぎなかったが、折しも7月に参院選を控え、政治家が神経質になっている時期に、鬼門の公的年金制度に対する不安をいたずらにあおってしまった感は否めない。

 そのため、「(報告書の)撤回を含め自民党として厳重に抗議している」(二階俊博・自民党幹事長)、「平均値で出して、2000万円足らなくなるというのは、いささか乱暴な例示だ」(萩生田光一・自民党幹事長代行)、「猛省を促したい」(山口那津男・公明党代表)と、金融庁は永田町から集中砲火を浴びることになってしまった。

 「配慮を欠いた対応で、反省するとともに深くおわびする」

 同月14日、報告書を取りまとめた金融庁の三井秀範企画市場局長は、国会でそう言って深々と頭を下げた。

 その様子を見て、「試算として事実を示しただけなのに」という金融庁を擁護する声が多く上がり、次第に批判の矛先が「正式な報告書として受け取らない」とした麻生太郎金融担当相をはじめ、政権与党に向き始めたというのが、これまでの流れだ。

 金融庁としては、世論を一定程度味方に付けた一方で、政権与党を敵に回し、不興を買ってしまったのは紛れもない事実だ。

 「正論を言うにしても、言い方とタイミングがあるんじゃないですかね」

 そう言いながらほくそ笑むのは、公正取引委員会の幹部だ。

 政権与党と金融庁との間に亀裂が生じていることを、いい気味だと見ているわけだが、なぜ金融庁にそこまでの敵意を抱くのか。

 最大の理由は、公取委にとって政治とのパイプが細いことが常に悩みの種であり、その弱みに付け込まれるようなかたちで、金融庁との綱引きにこれまで負け続けてきたからだ。

 中でも痛手だったのが、長崎県の地方銀行の合併問題だ。同一県内での銀行合併に対し、市場の独占を懸念する公取委と、地方経済の疲弊を踏まえて合併を促したい金融庁との間で、主張が激しく対立。事態打開に向けて、金融庁が首相官邸に駆け込んだことで、議論の流れが金融庁側に傾いていったという経緯がある。

 さらに、金融庁は昨夏、成長戦略を議論する「未来投資会議」(議長・安倍晋三首相)で、こと銀行の経営統合に関しては、独占禁止法の適用を受けないようにすることを提案したのだ。

 「競争を実質的に制限するような企業結合(合併)について、公正取引委員会が排除措置命令をすることは、国際標準に合致した制度であって、そうした制度を日本だけ変えるべきという議論になるとは夢にも思っていない」

 公取委の杉本和行委員長は、記者会見でそう気色ばんでみせたが、議論の流れを変えることはできなかった。

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最終更新:6/20(木) 6:01
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