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“有効求人倍率”が高ければ景気は回復していると言えるのか?

6/20(木) 5:00配信

日経ビジネス

 「人手不足」が言われて久しくなりました。正社員の有効求人倍率は、集計を始めた2005年度以降で最も高い1.13倍を記録。パートタイマーなどを含めた全体の有効求人倍率は、高度経済成長末期の1973年度以来45年ぶりの高水準となる1.62倍を記録しました(数字はいずれも2018年度)。

【関連グラフ】有効求人数、有効求職者数、就職件数の推移(年平均)

 こうした状況は何を意味しているのでしょうか? 安倍晋三首相は、2019年3月13日の参議院本会議において、次のように述べています。

「景気回復により仕事が増加したことにより、正社員の有効求人倍率は調査開始以来最高の水準となり、正規雇用者数も131万人増加、賃上げも、連合の調査によれば、5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが実現し、中小企業の賃上げは過去20年で最高となるなど、確実に経済の好循環が生まれています」

 有効求人倍率が高いのは「景気が回復している証拠の1つ」だと捉えられているようです。……しかし、本当にそうでしょうか?

●そもそも有効求人倍率をどう「見れば」いいか?

 分析を行う前に、有効求人倍率の見方を振り返っておきます。

 有効求人倍率とは、全国のハローワークで求職者(仕事を探している人)1人に何件の求人数があるかを示します。現在は求職者1人につき1件以上の求人があるので、仕事を選ばなければ、働きたい人にとって職に就きやすい状況だと言えます。

 ちなみに有効求人倍率はすべての職業で算出していますが、仕事別に見ると傾向は分かれます。「建設躯体(くたい)工事の職業」は10.67ですが、「一般事務の職業」は0.38と約28倍の開きがあります。

 1973年以降の有効求人倍率(含パート)の推移は以下の通りです。好景気を除けば0.6±0.1程度で推移していたと分かります。2009年にリーマン・ショックで落ち込んで以降、上昇を続けていますから、過去40年にない新たな傾向と言えるかもしれません。

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最終更新:6/20(木) 5:00
日経ビジネス

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