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米国が月の南極に宇宙飛行士を送るのは、「そこに水がある」からだ

6/21(金) 12:01配信

WIRED.jp

ドナルド・トランプが大統領に就任して1年近くたっていた2017年12月、彼は月に再び宇宙飛行士を送る計画を立てるよう米航空宇宙局(NASA)に指示を出した。その後、このミッションがどんなものになるか、政府はいくつかの詳細を発表してきた。

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そして今年3月の米国国家宇宙会議の第5回会合で、マイク・ペンス副大統領が大きな計画を明らかにした。米国の宇宙飛行士がこの次に月に降り立つとき、その場所は月の南極だというのだ。

なぜ、南極なのか。月の南極には氷があるが、その氷をロケット燃料に変えることができるとペンスは主張している。

「21世紀になったいま、われわれは新たな野心をもって月に戻るのです」とペンスは語る。「ただ行くだけではありません。月の岩石から酸素を取り出し、それで宇宙船の燃料を補給する。原子力を使って、南極の永久に日陰になっている場所から水を抽出する。そして、火星まで数年ではなく、数カ月での到達を可能にする新世代の宇宙船で飛行するのです」

インドの探査機が発見した「水」が存在する証拠

つい10年ほど前まで、月に水は存在しないのだと、惑星科学者たちはほぼ確信していた。月には大気がほとんどないからだ。しかし、ここ10年ばかりの間に、インド宇宙研究機関の月周回探査機「チャンドラヤーン1号」が集めたデータの分析結果から、月には「明らかに」水が存在することがわかった。

チャンドラヤーン1号が検知した氷のほとんどは、南極のクレーター内にある。その地帯は、月の自転軸がわずかに傾いているため、常に陰になっている。クレーター内の温度はマイナス157℃を超えることはないので、氷が宇宙に蒸発してしまうことはない。

NASAの管理官ジム・ブリデンスティンが国家宇宙会議の席上で指摘したところによると、NASAの科学者たちはチャンドラヤーン1号のデータから、月の極には1兆トン程度かそれ以上の氷がありそうだと試算している。

ブリデンスティンはこう話している。「生命を維持でき、呼吸する空気があり、飲む水があるということです。また、月の表面におけるロケット推進に使える水素と酸素があるということでもあります」

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最終更新:6/21(金) 12:01
WIRED.jp

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