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ある薬局の不正事件から見る「ルール無視」と「規制逃れ」に走る日本企業の後進ぶり

6/21(金) 6:00配信

週プレNEWS

『週刊プレイボーイ』でコラム「古賀政経塾!!」を連載中の経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏が、「アイランド薬局」の不正請求事件から日本企業の後進ぶりを指摘する。

* * *

今月7日、全国チェーンの薬局「アイランド薬局ほくしん店」(北海道北広島市)が調剤報酬を不正請求していたことが発覚した。

調剤報酬とは、薬を処方するときに薬局が受け取る報酬のこと。窓口で患者に服用方法や副作用の有無などを確認したり、過去の服用歴を記録、管理したりすることなども報酬の対象で、その額は1回当たりの処方につき、410円か530円。患者の自己負担分を除く7~9割分が健康保険料や税金から支払われる仕組みだ。

報道によると、北海道厚生局の調査により、ほくしん店はこうした窓口対応をしていなかったにもかかわらず、調剤報酬の請求を繰り返していたことが発覚。厚生局は同店に対して、過去5年分の薬歴を自主点検した上で、不正な請求分の金額を返金するよう指示した。

だが、アイランド薬局の運営会社の役員が、資料を改竄(かいざん)して不正件数を減らすよう働きかけ、1万5000件を超える不正請求の件数を244件に粉飾、返還すべき金額を約660万円から10万円にまでごまかしていたというから驚きである。

1件当たりのごまかし額は小さいかもしれないが、これだけの数だ。立派な詐欺罪。しかも、病人という弱者からだまし取る非常に悪質なものだ。

そもそも、この不祥事への厚労省の対応は大甘すぎる。本来なら刑事事件になってもおかしくないのに、「自社で点検して不正請求額を算出し、自主返還せよ」と指導しただけで、すべての処理をアイランド薬局任せにしたのだから。これではドロボウに「盗んだ金を勘定して返せ」と言っているようなものだ。

さらには、アイランド薬局は全国に100以上の店舗を展開している。普通なら、ほくしん店の不祥事は氷山の一角にすぎず、それ以外の店舗でも同様の不正請求がされているのでは?と、疑ってかかるのが当たり前だ。

また、全国に調剤薬局チェーンがたくさんあることを考えれば、ほかのチェーンでも不正請求がなかったか、厚生局自身が早急に調査を実施すべきだろう。

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最終更新:6/21(金) 6:00
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