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米ゲーム展示会「E3」、新たな主役はネットフリックス?

6/21(金) 19:00配信

日経ビジネス

 世界最大規模のゲームの祭典「E3」が米ロサンゼルスで2019年6月11日から開催された。参加者によると、今年の展示会場は昨年に比べて空いており、見て回りやすい状況だっだという。やはり「プレイステーション」を擁するソニーの出展中止が影響したのかもしれない。クラウドゲームへの参入で注目を集める米グーグルも出展しなかった。

 一方、展示会場の外では「Xbox」の米マイクロソフト(MS)が独自の巨大ブースを出したり、米テスラのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)がイベントに急遽登壇したりと、“場外戦”が繰り広げられていた。マスクCEOは、テスラ車で駐車中にできるゲームを披露するなどした。

 中でも注目されていたのが、映画のストリーミング配信大手、米ネットフリックスの初参加だ。場外で開催されたE3のイベントで、ゲームビジネスへの取り組みを説明していたという。

 ネットフリックスといえば、単なるコンテンツ配信でなく、視聴状況のビッグデータなどを基にして、独自の映画やドラマを制作し成功を収めている。今回発表したのは、コンテンツでの成功をゲームに横展開する戦略だ。既にゲーム「ストレンジャー・シングス」を任天堂とソニーのゲーム機向けに提供し始めている。

 ストレンジャー・シングスは、街から子供がいなくなるという不思議な現象が起き、それと子供たちが戦っていくというSFホラーのテレビドラマシリーズ。エミー賞を受賞するなど注目を集めている作品だ。

 ネットフリックスはストレンジャー・シングスと同じ世界観を楽しんでもらうためにゲームを提供する。米ナイキや米バーガーキングとも連携し、ストレンジャー・シングスのシューズやハンバーガーを販売する。2020年には、ポケモンGOのようなゲームも投入する計画だという。映像は受け身だが、ゲームでは自分が主人公になって戦うことができるなど、より主体的にコンテンツを楽しんでもらうことが可能だ。

 ネットフリックスにとっては毎月定額のサブスクリプションサービスをいかに続けてもらうかが重要だ。ゲームを入り口にしてネットフリックスに加入するだけでなく、ゲームを楽しんだ後にドラマのストレンジャー・シングスを見るようになって、利用を続けようと考える既存の契約者もいるだろう。

 先述のように、ネットフリックスはビッグデータを活用したコンテンツ開発でも知られる。ゲームで得られた利用者の行動傾向などを活用し、ドラマの新たなシーズンを作成するといった可能性もある。

 こうしたコンテンツの再利用はアニメなど日本企業が得意とする分野ではある。ビッグデータ活用企業であるネットフリックスの取り組みは単なるライセンス提供を超えて、データを活用してエコシステムを形成するところにあるのだろう。日本のコンテンツホルダーにとっても参考になりそうだ。

市嶋 洋平

最終更新:6/21(金) 19:00
日経ビジネス

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