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パンクと無縁!? 夢の「空気なし」実現の目途は?? エアレスタイヤの課題と本気度

6/22(土) 9:03配信

ベストカーWeb

 2019年6月4日、ミシュランがGMと共同開発のエアレスタイヤ「アプティス・プロトタイプ」を発表し、注目が集まっています。

 乗用車用タイヤといえば、これまで空気入りのタイヤが普通で、ランフラットタイヤも、あくまで「パンクをした後も一定距離を走れる」というコンセプト。パンクそのものをゼロにできるタイヤではありません。

 パンクと無縁なタイヤの実現は長年の悲願であり、その意味でエアレスタイヤは“夢のタイヤ”なのです。

 ミシュラン以外のタイヤメーカーも、この「空気なしタイヤ」の開発に取り組んでいますが、本当に近い将来実用化できるのでしょうか? 課題と本気度を、タイヤに造詣が深い自動車評論家の斎藤聡氏に聞きました。

なぜ「空気なし」可能? エアレスタイヤの仕組み

 エアレスタイヤは、従来のタイヤのように空気を充填しないで走れる文字通り“エアレス”なタイヤです。

 構造は見てのとおり、ホール部と路面に接触するトレッド面を、スポークのようなゴム製(樹脂製?)の柱でつないだ構造になっています。柱のクッション部分がこれまでのタイヤの空気の役割を果たしているわけです。

 ミシュランとGMは、共同研究を進めながら、早ければ2024年にも乗用車用に「アプティス」を導入することを目標に、アプティス・プロトライプのようなエアレスタイヤの検証を行う、としています。

 これを受け2019年6月現在、シボレー ボルトEVのような車両から始めてアプティス・プロトタイプのテストを行っています。2019年後半にはボルトEVのテスト車両で実走テスト(公道テスト?)を開始する予定だそうです。

各社が鋭意開発中!! エアレスタイヤはどこまで本気なのか?

 もちろんエアレスタイヤの開発は、ミシュランだけでなく、ブリヂストンの「エアフリーコンセプト」や、トーヨーゴムの「ノアイア」、住友ゴムの「ジャイロブレイド」など、タイヤメーカーごとに開発が進められています。

 なぜ各メーカーがこぞってエアレスタイヤの開発を行っているのかというと、環境問題もありますが、もう1つ見逃せないのがレベル4(限定した場所でドライバーを必要としない自動運転)以上の車のタイヤのメンテナンスフリーです。

 運転にドライバーの介入を期待しないため、タイヤは空気圧の管理不良やパンクによって引き起こされる様々なトラブルをなくすことが求められています。

 また、これは可能性ですが、エアレスタイヤが考案されたことで、これまでの空気入りタイヤからドラスティックにタイヤのあり方が変わる可能性が出てきたのです。

 転がり抵抗の少ないタイヤ、トレッド面にセンサーを埋め込んで路面の状況を読み取り運転制御にフィードバック、さらには電子制御でクッション部の硬さを変化させるなんてこともできるかもしれません。様々な可能性が広がっているわけです。

 では、どのくらいタイヤメーカーは本気でエアレスタイヤに取り組んでいるのでしょうか。

 真剣ではあるけれど、それにメーカーの全手の力を注力しているわけではない、という意味で「自動車メーカ-が完全自動運転車を作ろうとしているくらい」といったところでしょうか。

 自動車メーカーやタイヤメーカーは様々な可能性を考えて先行開発や研究をしています。エアレスタイヤもその中の一つであることは間違いありません。自動車メーカーや、お役所からGOサインが出た時にすぐに対応できる準備はできていないといけないわけです。

 そんなことを考え合わせてみると、ミシュラン-GMの共同研究契約も微妙な言い回しで断言をしておらず、2024年に向けて実現できるように研究を進めるといったニュアンスがうかがい取れます。

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最終更新:6/22(土) 14:05
ベストカーWeb

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