ここから本文です

ふたりの「卓球王者」が語る本音と五輪への思い

6/22(土) 22:53配信

卓球王国

水谷隼「あえてオリンピックに関して何も言いたくない」

 卓球王国の最新号(2019年8月号)では「ブダペスト、歓喜と挫折の独白」として、4月の世界選手権(個人戦)ブダペスト大会を彩った選手たちのインタビューを掲載。「歓喜」の選手は優勝した中国の馬龍と劉詩ウェン、男子シングルスで準優勝に躍進したスウェーデンのファルク。挫折を味わった選手は、水谷隼と張本智和だ。

 馬龍の卓球観、劉詩ウェンの挫折の後に訪れた至福の歓喜、それまで人知れず涙を流した時間の流れは感動的だった。それはネット上ではなく、手元に置いて何度も読み返したくなる内容だった。
 そして全日本チャンピオンでありながら、ブダペストで早々と散った水谷のインタビュー。いつもの本音の水谷隼がそこにいる。それはある種人間臭く、どこか折れそうな王者のつぶやきだ。その内容を少し紹介してみたい。

●水谷「30(歳)になって自分の好きなようにやりたいということと、あとは周りに期待してもしょうがないから自分で何とかしようという、そのふたつの気持ちが重なって、反骨心として良いモチベーションになっている。だから、この後、ぼくが成功してもそれは全部自分の努力なので、誰にも感謝しないで生きていきたい」

●水谷「ぼくは単純に卓球が好きだからここまでやってきた。オリンピックのだめだけにこの4年間やってきたわけじゃない。この4年間には別の意味があったはずで、もしオリンピックに出られなくても、出てメダルを獲れないとしてもぼくには意味がある時間だった」

 それは不遜な言葉のようにも捉えることができるし、オリンピックへの決意の裏側を見るような言葉でもある。

●水谷「オリンピックに出たいか出たくないかと言ったら、出たいに決まってます。ただ、オリンピックのことしか言ってこない周りに嫌気がさしています。だからあえてオリンピックに関して何も言いたくない。
 もちろん、最終的にオリンピックに出たい、メダルを獲りたいというのは大きな目標です。ただ、何十回もオリンピックのことを聞かれて、これからも何十回も聞かれると思うとうんざりします。周りが作りたがるドラマにぼくは乗っかりません」

 自分を応援しているファンへの感謝は忘れていないが、いつもオリンピックについて聞かれることにうんざりしている様子だ。これから熾烈な国内の代表選考レースが始まるが、しばらくは王者・水谷は「だんまり」を続けるかもしれない。その意味でも、今回のインタビューは意味のあるものだった。

1/2ページ

最終更新:6/22(土) 22:53
卓球王国

記事提供社からのご案内(外部サイト)

卓球王国

株式会社卓球王国

2019年9月号
7月20日発売

定価785円(税込)

最新情報満載! こだわりの卓球情報誌
報道、技術、グッズ、インタビューなど
多彩な記事を満載!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事