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“男女平等先進国”ノルウェーでも、女子サッカー代表の8割は「年俸130万円以下」

6/23(日) 8:00配信

クーリエ・ジャポン

サッカー連盟会長までもが…

フランスで開催中のFIFA女子ワールドカップ2019では、日本(なでしこジャパン)が16強入りを果たした。だがフィールド外ではいま、さまざまな問題が女子サッカー界を襲っている。

まずは、#MeToo運動の広がりである。2019年に入って以降、少なくとも4大陸5ヵ国で、選手がコーチやスタッフによる性的虐待を告発した。そのなかにはレイプ被害も含まれている。

さらに6月初旬、アフリカサッカー連盟のアフマド・アーマド会長がセクハラ被害を訴えられた。2017年に性的行為を求めて拒否された女子選手を、彼が解雇した疑いが持たれている。同じく数名の女性が被害を訴えているが、母体である国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長はこれを否定している。

一銭ももらっていない選手も

さらに女子サッカー界を襲っているのが、賃金格差の問題だ。16強入りしたノルウェーは、世界経済フォーラムによる「男女平等指数2018」で世界第2位の国である(1位はアイスランド)。にもかかわらず、女子サッカーのトップクラスの選手の80%は、年俸が10万ノルウェークローネ(約125万円)に満たない。ノルウェーの高い物価を考えても、到底暮らしていける額ではない。さらに、13.6%の選手は一銭ももらっていない。

2017年10月、ノルウェーは世界で初めて、女子サッカー選手に男子選手と同じ額の年俸を支払うと約束した。にもかかわらず、2年経った現在もそれは夢のまま。プロ契約してもわずかな収入しか得ることができず、副業としてやっている女子選手がほとんどだ。
ノルウェーのスターベクIFに所属するグロ・ベルグスヴァンドは、IT企業で管理部門のトップを務めている。サッカーの練習をするのは、出勤前の朝6時からと退社後。オンラインメディア「ローカル」ノルウェー版に対して、「会社に理解してもらうのは、簡単なことではない」と彼女は言う。

男女格差はそれだけではない。ノルウェーでは12~13歳の男子ユースアカデミーにすら理学療法士が1人ついているのに、女子チームには国代表ですら誰もつかない。彼女はこう嘆く。

「サッカーを心から好きじゃないといけない。そうじゃなきゃ、やってられない」

米国選手が訴訟を起こした!

アメリカでは2019年3月、女子サッカー選手28人が米国サッカー連盟を相手取って訴訟を起こした。女子代表は前回のワールドカップで優勝したにもかかわらず、賃金やプレー環境の男女差別が長年改善されないことを訴えている。

とくに目立つ格差が、ワールドカップ出場に対するボーナスの額だ。米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、男子代表の32選手には計4億ドルのボーナスが支給されるにもかかわらず、女子代表の24選手には計3000万ドルしか支払われない。これはFIFAが決定したものである。

自らが撒いた種とも言えるこの問題を、FIFAはどう乗り越えていくのか。猶予はもうない。

COURRiER Japon

最終更新:6/23(日) 8:00
クーリエ・ジャポン

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