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ニューヨーク有名テレビ局を「女子アナ」5人が訴えた─性別と年齢で不当な扱い

6/23(日) 15:00配信

クーリエ・ジャポン

「私たちは過小評価されている」

テレビやラジオに欠かせない存在となっている女性アナウンサー。

日本では、テレビ局などに入局してニュースや情報を聞き取りやすく伝える発声などの訓練を受け、のちにフリーランスになっていく人たちも多い。日本の「女子アナ」はバラエティ番組などでも活躍しているが、こうした状況はジャーナリズムの本場であるアメリカとは随分違う。

アメリカでは女性アナウンサーは「女性アンカー」と呼ばれる。ほとんどは地方局や地方の新聞社などでジャーナリズムの訓練を受けながら下積みを経験し、実績を残したり、実力を付けてから大都市のテレビ局のアンカーになったり、全国ネット局で活躍するようになる。

そんな実力重視と見られてきたアメリカの女性アンカーの世界だが、どうも、これまで言われてきたような「実力」だけの世界ではないようだ。いま女性アンカーの「性別」と「年齢」にまつわる騒動が話題になっている。

米紙「ニューヨーク・デイリーニュース」は、「ニューヨークのテレビ局『NY1』に属する5人の著名な女性アンカーたちが6月19日に同局を訴えた。彼女たちは、同局の経営陣が若くて経験の乏しい女性の同僚アンカーたちに活躍の場を与えていることで、過小評価されてのけ者にされていると訴えている」と報じている。

ちなみにNY1は、大都市ニューヨークを拠点とする24時間体制の報道局で、全米のローカル(地方)局でも最も有名なテレビ局だ。

訴えを起こした40歳から61歳の5人の女性アンカーの一人は、同紙にこう述べている。「この世界では、40歳以上の女性のための仕事は多くないことは重々わかっているわ。だけど、誰かが立ち上がらないといけないと感じていたの。誰かが、真実を語らなければと……チャンスはどんどんなくなっていっている。私たちがのけ者にされていって、視聴者たちも私たちの姿を見ないことに慣れていってしまう」

要するに性別と年齢で不当な扱いを受けているということらしい。米紙「ニューヨーク・タイムズ」によれば、NY1は2016年に大手ケーブル会社チャーター・コミュニケーションによって買収され、同局の経営チームが設置された。そしてこのチームが、ベテラン女性アンカーらの出演番組や出演時間を減らし、「局のプロモーションなどからも排除され、彼女たちの不安をずっと無視してきた」という。

同じく本社をニューヨークに置く同紙は、NY1の魅力をこう表現している。「ニューヨーク初の24時間ローカルニュース局であり、見た目は地味でもおなじみのアンカーを揃え、それが同局が醸し出す都市の広場といった趣の一部となっていた。同局の青と白のロゴは、街のアイコンになっており、マンハッタンが頻繁に登場する『LAW&ORDER:性犯罪特捜班』や『アメイジング・スパイダーマン2』のようなエンターテイメントにも登場する」

地元に愛される老舗ローカル局だったという。結局、この件で、女性アンカーの扱いは実力ばかりではないという実態が明らかになった。

米TV「CBSニュース」は、彼女たちのこんなコメントを紹介している。「私たちは、私たち自身と、日常的に同じような苦しみに直面しているすべての女性のために戦います。私たちは全米のすべてのニュースメディアに、こうした状況は変えるべきだという明確なメッセージを送りたい」

日本でも女子アナウンサーが年齢を重ねるにつれ表舞台から遠ざかっていくと指摘がされることもあるが、アメリカでもそうした議論が出てきており、今回は訴訟という形にまでなった。女性アンカーの世界にもキャリアと性別という大きな問題が及んでいるのである。

Toshihiro Yamada

最終更新:6/23(日) 15:00
クーリエ・ジャポン

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