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絶滅とは何か ―実はいろいろある「絶滅」

6/23(日) 9:40配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

国際自然保護連合(IUCN)の分類や、専門家がよく使う用語を解説

 絶滅は自然な現象だ。結局のところ、かつて地球上に生息した生きものの90パーセント以上は、すでに存在していないのだから。

ギャラリー:絶滅の危機から復活しつつある動物 11選

 とはいえ、この現象を人間が悪化させたのは確かだ。生息地の喪失、気候変動、侵略的外来種、病気の拡大、乱獲および狩猟などによって、われわれは自然に進行する種の絶滅を加速させている。

「独自の生態学的役割を持つ種が、ごっそり失われようとしています」と、米デューク大学の保全生態学教授、スチュワート・ピム氏は言う。たとえば、ラッコやサメのような最上位捕食者の減少により、その生態系はバランスを失いつつある。

 日々絶滅する種は数十種類にのぼり、専門家によると、2万種以上の動植物が永久に失われる瀬戸際にあるという。既知の哺乳類の4分の1は絶滅の危機にある。

 世界的な種の減少を中心となって追跡調査しているのは「国際自然保護連合(IUCN)」だ。同団体は野生の種の状況を評価し、さまざまなデータを考慮したうえで、絶滅危惧生物をレッドリストとしてまとめている。

 そこで以下に、IUCNの種の絶滅に関する分類や、専門家がよく使う用語を解説しよう。

近絶滅種

 絶滅の可能性が非常に高い動物は、「近絶滅種(Critically Endangered)」に分類される。このカテゴリーに属する動物には、森林の伐採や農業などで生息地を破壊されたスマトラサイ(Dicerorhinus sumatrensis)やスマトラオランウータン(Pongo abelii)がいる。

野生絶滅種

 原産地にはすでに存在せず、動物園や繁殖施設などの飼育された環境でのみ生息する種をさす。1987年には、最後まで野生で生き残っていたカリフォルニアコンドル(Gymnogyps californianus)27羽が飼育環境に移され、「野生絶滅種(Extinct in the Wild)」となった(飼育された個体が野生に戻されているため、現在は野生絶滅種から近絶滅種に変更されている)。

 グアムクイナ(Hypotaenidia owstoni)という飛ばない鳥は、米軍によって偶然グアム島に持ち込まれたミナミオオガシラ(Boiga irregularis)という外来種のヘビによって、絶滅寸前に追い込まれた。グアムクイナは現在、ピッツバーグの国立鳥園などの飼育下でのみ生息している。

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