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「フェラーリを飛ばす男」:世界のトップミュージシャンが頼るウィロ・ペロンについて

6/23(日) 20:40配信

エスクァイア

カニエ・ウェストやジェイZ 、リアーナ、ドレイクなど大物アーティストの壮大なステージショーを手がけてきたことで知られる多才なクリエイティブ・ディレクター、ウィロ・ペロン氏に迫ります。

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「正直、『クリエイティブ』という言葉は好きじゃないんだ…」と、自らのオフィスのソファに座るウィロ・ペロン氏は身をよじるようにして言いました。

「『クリエイティブ』という言葉は、むやみに使われすぎ。最近では誰もが『クリエイティブ・ディレクター』で、何もかもが『クリエイティブ』なんですから…」と続けて話しました。確かにうなずいてしまいます…。 
 
 私たちが訪れているペロン氏の複合型スタジオは、ロサンゼルスのシルバーレイクにあります。「誰もがクリエイティブを自称し、またクリエイティブを自称する他の人々に不満を抱いているエリア」とでも言うべきでしょうか。

 とは言え、ペロン氏はクリエイティブな人です。彼がクリエイティブでないのなら、クリエイティブな人など存在しません。 
 
 モントリオール出身のフランス系カナダ人のペロン氏は、世界のトップミュージシャンたちが贔屓(ひいき)にするデザイナーであり、ドレイクやカニエ・ウェスト、ジェイ・Z、リアーナ、フローレンス・アンド・ザ・マシーンなどの壮大なステージショーを手がけてきたことで最もよく知られています(ドレイクの「Aubrey and the Three Migos」ツアーでは、観客の頭上に黄色のバルーン製フェラーリを浮かせています)。

 しかし、ステージショーは彼の経歴のほんの一部に過ぎません。

 ペロン氏はこれまでに数々のオフィスや店舗をデザインし、セイント・ヴィンセントのミュージックビデオも撮影。彼女のアルバム『Masseduction』でグラミー賞の「最優秀レコーディング・パッケージ賞」を受賞したこともあります。彼はマルチに活躍する多産なクリエイターであり、自らの仕事に対して誇りを持っています。

 「『クリエイティブ・ディレクター』と聞くと、何のスキルも学んでいない人のように思えるんです」と、ペロン氏は話します。「ですが私は、グラフィックデザイナーやインテリアデザイナーもしましたし、ショーも演出します。店舗のデザインもしますので…」と、ペロン氏は続けて話してくれました。 
 
 このロサンゼルスの複合型スタジオは、サンセット大通りのはずれにある3つのビルからなるもので、これはペロン氏のビジネスが活気づいていることの証です。彼は6週間前にここに引っ越したところであり、現在15人のスタッフとともに働いています。 
 
 ビルの1つにはペロン氏のオフィスと印刷物および映像部門が入っており、隣のビルにはインテリアおよび家具部門、通りを挟んだ向かい側のビルには、イベントデザイン部門があります。

 「エスクァイア」編集部が訪れたとき、彼らはコーチェラ・フェスティバルのステージの準備を進めており、Zeddの回転儀風のDJブースを製作したり、ロック・ネイション社(ジェイ・Zが代表を務めるレコードスタジオ)のLAオフィスのデザインを行っていました(このプロジェクトは、ジェイ・Zの「4.44」ツアーでのペロン氏の仕事がきっかけに生まれたものです)。また、カニエ・ウェストも自らが手がける「イージー(Yeezy)」のカラバサスオフィスのデザインもペロン氏に依頼が来ています。 
 
 「どれも自分自身の延長なんです」と、ペロン氏は背後にある天井まで届くほどのムードボード(コンセプトを伝えるために、デザイナーによってつくられたコラージュ)を指しながら話します。「私は何かを考え出し、人々に少なくとも実際にやってもらいます。これらのアイデアを、頭から追い出す必要があるんです。様々なアイデアは奇妙な潜在意識状態から現れ、私はそれを解釈して説明しなければなりません。宗教、あるいは音楽と同じです」とペロン氏は語ります。

 彼はデザインについて、「問題解決」と語る実用主義者でありながら、アイデアの発想については「夢と潜在意識にかかわる神秘的なもの」とみなしているのでした…。

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最終更新:6/23(日) 20:40
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