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日本の大学生が「%」を理解できなくなった理由

6/23(日) 15:00配信

東洋経済オンライン

「2億円は50億円の何%か」という問題を日本の大学生の2割前後が間違えると推測できるという。最も多い誤答は50を2で割って25%とするものだ。『「%」が分からない大学生』を書いた桜美林大学リベラルアーツ学群の芳沢光雄教授に詳しく聞いた。

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■高偏差値大学の学生も理解していない

 ──刺激的なタイトルです。

 20年前の共著『分数ができない大学生』を思い出す人もいるのか、ネットには「また、若者を貶(おとし)めている」なんて書かれています。読まずに書いて、と腹が立つけど、それだけ日本には数学嫌いが多いという証拠です。状況を放置してきた数学教育関係者の一人として、批判は甘んじて受けます。

 解き方を忘れたなら、思い出せばいい。「わからない」は、そもそも理解できるように教えられていないのです。割合の問題を解くには「くもわ」で、という感じです。

 ──「比べる量」「もとになる量」「割合」の最初の文字を取って、その関係を表した図ですね。

 「く÷も=わ」「も×わ=く」だけを覚えると、記憶が曖昧(あいまい)になったときに、3つの関係がわからず、2は50の25%となる。速さ、時間、距離の「はじき」も同じ。

 松井証券の松井道夫社長が言うように、時代は量での評価ではなく、単位当たりでの評価になっている。そうなると「%」の概念はとくに重要だし、「%」は世界共通の単語。にもかかわらず、高偏差値大学の学生でも理解していない、と多くの先生が私に言ってきます。

 ──どうしてこんなことに。

 1979年に共通1次試験が始まりマークシートが導入されました。団塊ジュニアの受験も控え、やむをえないとは思った。が、あまりにもマークシートに適応するやり方が先鋭化した。つまり「答えさえ合っていればプロセスはどうでもいい」。解き方の暗記が主流となった結果どうなったか。

 例えば、与えられた関数のxとyの点をグラフにプロットできない。素朴にグラフを書いたことがないからです。また、教員になった教え子が200人くらいいますが、プロセスが間違っているのに「答えが合っているんだから丸にしろ」と抗議する生徒が増えている、と何人もが言っています。

 ──文系理系問題もありますね。

 文系理系は以前からありますが、戦後は国の復興を目指し、文理問わず高レベルの数学教育がなされました。高度経済成長を達成するとそれが緩んできた。理系教員の中には、数学は理系進学者が学べばいい、数学嫌いは相手にしなくていいと考えている人もいる。

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最終更新:6/23(日) 15:00
東洋経済オンライン

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