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画家 大岩オスカールが紡ぎ出す光への道

6/24(月) 15:01配信

nippon.com

ティム・ホーニャック

日系ブラジル人アーティスト、大岩オスカールのキャンバスに広がるのは、闇と光が交互に織りなし、深刻なテーマとユーモアが調和する異世界だ。金沢市で開かれている大規模な個展『光をめざす旅』のために来日した大岩に話を聞いた。

大岩オスカールの作品を見ていると、現実を離れた別世界をのぞき込んでいるような不思議な気分になる。カラフルで緻密な描写だけでなくスケールの大きさも魅力の一つ。縦2メートル、横6メートルを超えるキャンバスに描かれた作品もある。波に包まれた高層ビル群、渦を巻く大海原、ミステリアスな鬼火に照らされた森の風景などテーマはさまざまだ。金沢21世紀美術館で開催中の個展『光をめざす旅』は、大岩が創り出す時に幻想的、時に政治的、そして時にコミカルな作品の進化の軌跡を紹介している。

大岩は世界最大級の巨大アートを生み出すことで知られている。ドローイング・インスタレーション作品『パラダイス』もその一つで、家ほどの大きさに膨らませたビニールバルーンにマーカーペンで渦巻く雲が描かれている。細心の注意を払いながら『パラダイス』を制作している映像もユーチューブで配信されている。金沢21世紀美術館で開催中の『光をめざす旅』では、壮大なスケールの新作『森』も含む最近の作品約60点が展示されている。縦4メートル、横27メートルの『森』は同美術館の壁に直接描かれ、8人のアシスタントとともに90時間近くかけて完成させた。細か過ぎるほどの描写で表現された森には光が降り注ぎ、その中に漫画のキャラクターのようなネコとウサギが1匹ずつ描かれている。

「平面の作品の中ではこれが最大です」と大岩は言う。「最近はデジタルメディアを使う人が多いですが、人間は洞窟に住んでいた頃からずっと絵を描いてきました。子どもは今でも絵を描きますが、大人は描き方をすっかり忘れてしまったように思います。私はマーカーを使って壁やバルーンに絵を描くことで、このシンプルな芸術活動を復活させたいのです」

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最終更新:6/24(月) 15:01
nippon.com

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