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マイケル・ジャクソンのドキュメンタリー映画の真偽に迫る!【西寺郷太のPop’n Soulを探して】

6/24(月) 21:00配信

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マイケル・ジャクソンの性的虐待疑惑に迫った告発ドキュメンタリー『Leaving Neverland』は今年1月のサンダンス映画祭で初公開された後、3月にアメリカのケーブルテレビ局HBOで放送され、その内容を巡って世界中で物議を醸した。日本でも6月7日よりNetflixで日本語字幕付きで配信されている。そこで今回、日本屈指のマイケル・ジャクソン研究家である西寺郷太さんに、ドキュメンタリー映画の内容も含めて、一連のマイケル騒動についてズバリ聞いてみた。

巧みな「モキュメンタリー」

米田:6月25日はマイケル・ジャクソンの命日。早いもので、亡くなってからもう10年になりますね。そんな中、今年のはじめに『Leaving Neverland』というマイケルの性的虐待疑惑に関するドキュメンタリー映画が話題になりました。このタイミングで改めて郷太さんの意見を聞きたくて。

西寺:アメリカで公開されてから4カ月弱経ちました。まさか日本語に訳されて公開されるとは最近まで思ってなかったんですよね。元々は新勢力であるNetflixなどに対抗し、巻き返しを狙った老舗ケーブルテレビ局HBOが、バズり狙いで勇み足したのかな?と、僕は思っていたし、そう見る人も多かったんです。

米田:それが、世界中のテレビ局に買われ、日本のNetflixでも配信されるということになったと。

西寺:ガクっときましたよ、正直。Netflix、『ROMA/ローマ』大好きだったのに、そういうメディアだったのか、と……。公開が本国と同時のタイミングであればまだしも、ね。数カ月のさまざまな検証によってこの番組が「ドキュメンタリー」ではなく、そういう風に見えるように巧みに構成された「モキュメンタリー」「フェイク・ドキュメンタリー」であることが明らかになり始め、放映を見合わせた国もあるので。何より、この「ドキュメンタリー」が話題になった3月時点でウィキリークスが、FBIによるマイケルへの少年性的虐待疑惑捜査資料を再公開しているのに。

米田:ウィキリークスが?

西寺:FBIは、生前のマイケルが1993年に最初の民事訴訟を起こされてから、ずっと内偵し、捜査を続けていたんですね。盗聴やハッキング含め、マイケルの身辺は丸裸にされていました。捜査費用は、すべてアメリカ国民の膨大な税金です。

米田:ですよね。

西寺:だから、どうしても国家の威信をかけて「有罪」の証拠、少年に性的な悪戯をしているという証拠や証人、証言を集めたかった。二度目の2003年から2005年にかけての「刑事裁判」は、その流れで起こりましたが、結果「無罪」。FBIは「マイケルは無実」だったという10数年に渡る捜査結果を隠蔽していたんですが。

米田:なぜですか?

西寺:罪なき人をあたかも罪人のように取り調べ、ミスリードし、リンチしていたわけですから、そりゃ恥ずかしいでしょう。無駄金を投入して。マイケル亡き後、ジャーナリストに執拗に要求されて渋々公開したんです。

米田:ほう。

西寺:でも、最近気づいたら知らぬ間にまたアクセス不可になっていて。そのファイルをウィキリークスが暴いたんです。

米田:捜査ファイルは、僕らでも読めるんですか?

西寺:今、ネットで簡単に見れます。つまり、マイケルに関してはその辺に暮らしているどこの誰よりも無実である証明がなされているくらいなんです。なのに、まだ疑っている人がいる。で、話を聞くと皆全然知らないんです。多くの人は冷静な事実よりもスキャンダルやゴシップが好きなんだなぁ、と改めて。

米田:ただ日本のメディアはほとんど様子見で取り上げなかった気がするんですが。

西寺:マイケルが亡くなってから、新聞やテレビ、ラジオ、メディアの方々と直接、散々話して、僕の本を読んでもらい、今に至っていることが少なからず影響していればいいな、とは思ってます。これから早稲田大学エクステンションセンターで弁護士の高木良平さんと「少年性的虐待疑惑」に関する講座も開きますし(編注:6月25日現在ではキャンセル待ち状態となっている)、この前もジョー横溝さん、ダースレイダーさん、宮台真司さんとニコ生の番組「深掘TV マイケル・ジャクソンの真実 ~少年への性的虐待疑惑、死因の真相に迫る~」で2時間半話しました。

米田:話題になってましたね。

西寺:地道ですが、ひとつひとつ時間をかけて説明していけばわかる話なんで。この連載もまさにそうです。ただまぁ、今回あんまりニュースにならないのは、今さら亡くなったマイケルがどうだこうだ、って絵にはなりにくいからっていうのが大きいと思いますよ。スーパースターが生きていたら、痛めつけられたり慌てるその姿が映像で撮れて放送出来ますけど。まぁ、監督のダン・リードも「僕はマイケル・ジャクソンのことをたいして知らない」って答えているくらいですから。この監督ダン・リードが討論で論破されまくりの姿を見ることで、あれ?って多くの人が気づいてほしいと祈るこの頃です。

米田:マイケル側は反論しないんですか?

西寺:彼の遺産管理を取り仕切るマイケル・ジャクソン・エステートは、ジョン・ブランカっていうスーパー腕利きの弁護士がリーダーで。マイケルとも『Thriller』以前から仕事をしている人です。彼の最大の武器は「アーティストの価値を高め、スーパースターを不当な裁判から守る」こと。制作したHBOとの裁判はすでに始まり、ジョン・ブランカは別にダン・リードも訴えると話していますが、マイケル本人が亡くなっているんで色々難しいんですよね。ただ1年以上かかるかもしれませんが、この映画がフェイクであることは明らかになるでしょう。

米田:HBOの損害賠償の金額は1億ドルと言われています。

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最終更新:6/27(木) 10:53
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