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犬連れ参拝客に人気の神社が「ペット連れ禁止」の苦渋の決断

6/24(月) 19:08配信

ニューズウィーク日本版

■ 皆が気持ちよく参道を歩くために

1時間ほど遅れて犬のしつけのインストラクターの川原さんが到着。僕らも、川原さんの愛犬のベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレン『ヒューゴ』、藤岡さんとグローネンダールの『風蓮』と “最後の犬連れ参拝“に向かった。川原さんは、子供の頃に南アフリカやペット先進国と言われるドイツ(旧東ドイツ)で犬を飼い、近年もアメリカ在住経験がある国際派のインストラクターだ。僕は、そんな犬連れ旅のエキスパートでしつけのプロでもある川原さんが、どういうふうに参道を歩き、参拝するのか注目した。

犬の鳴き声などに配慮が必要な場所では、犬同士がすれ違う際には特に注意が必要だ。「前から犬が来た時は、様子を見て、吠えてきたりしそうな犬だったら、立ち止まって自分が通路の真ん中側になるように(真横に犬を)待機させて、『お先にどうぞ』という形で道を譲ります。相手の動きが止まっていて目線が飼い主に行っていれば(犬を見て興奮するような犬でも)お互いが落ち着きやすいからです」と川原さん。「あっちが吠えるから悪いのよ、ではなく、たとえ自分の犬がよくしつけられていたとしても、皆が気持ちよく歩けるように、相手が吠えるような状況を作らないのもマナーだと思います」

また、川原さんたちは、それぞれの犬を鳥居や門の前に座らせ、記念撮影をした。「真ん中で正面から撮りたいところではありますが、周囲に誰もいないような状況でない限りは、他の参拝客の妨げにならないよう、ちょっと端に寄って斜めから撮るくらいで妥協します」

■ 「させないの工夫」と失敗した時の「バックアッププラン」

神社の声明にもあるように、この日も大半の人がマナーをしっかり守っているように見えた。ただ、残念なことに、境内の立派な杉の木にマーキングさせているのを一度だけ見てしまった。こうした糞尿の問題は禁止措置の核心に当たるので、川原さんに具体的に解説してもらおう。

「マーキングをしないようにしつけるのは、去勢をしていなければ難しいです。ですので、一緒に出歩くなら去勢(メスの場合は避妊。マーキング対策だけでなく、健康管理面などからも多くのしつけの専門家や獣医は勧めている)が大前提になります。それでも、犬は放っておいたらマーキングをしたがりますから、飼い主がそれに付き合わないことが大切です。しつけるというより、飼い主の歩き方の問題。『あっちの臭いをかぐの?』って一緒に行っちゃたら、そこでマーキングするのは分かりきっていますよね?なので、付き合わずにまっすぐ歩く。それで犬が諦めたら、褒めてあげます」

排泄の方のおしっこ・うんちについては、現地に着く前に差し支えのない場所でさせておくのが望ましい。「それでも生理現象ですから、万が一しちゃったら、流せるような地面ならば水で流す。アスファルトなど水を流しても単に薄まって広がってしまうような場所なら、トイレシーツでなるべく尿を吸収して、水で流して、さらにもう一度吸収するくらいのことはしてほしいと思います」

なるべく外出先で周囲に迷惑をかけないようするためには、犬がよくしつけられているのが理想だ。とはいえ、「しつけのプロではないから、そんなに完璧にはできない」という飼い主が大半であろう。

「外に一緒に連れていくからには、自分の子供でも犬でも、最低限のお出かけマナーを身に着けていたほうが、自分も周りの人も気持ちよく過ごせると思います。でも、ロボットではないから完璧にはできませんし、不測の事態もあるのが当然です。絶対に完璧に仕上げてからお出かけしましょう、ということではなくて、できるだけお家で練習して、お出かけにチャレンジするくらいの気持ちがあれば良いのではないでしょうか」と川原さん。

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最終更新:6/25(火) 10:49
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