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イケメンという呪いから解き放たれた向井理と山﨑賢人

6/24(月) 14:36配信

webマガジン mi-mollet

イケメン俳優に必要なのは「二度目のブレイク」!?

お笑いの世界に「大阪の芸人は二度売れないといけない」という言葉があります。これを俳優の世界に置き換えるなら「イケメン俳優は二度売れないといけない」。一度目は人気俳優としてのブレイクです。女性を中心に支持を得て、数字のとれる俳優として評価されること。それが、彼らのファーストブレイク。

けれど、イケメン俳優という呼び名には、容姿先行・人気先行というニュアンスがあるのも事実。時にはやっかみの目で見られ、演技に対して正当な評価を得られにくいことも。また、いつまでもイケメンという評価に甘んじていると、若い俳優に取って代わられるのも時間の問題。イケメン俳優の称号は、時に彼らに「呪い」となってのしかかることもあるのです。

そこで必要になってくるのが二度目のブレイク。イケメン俳優というイメージから脱却し、実力派として評価を受けるチャンスを、多くの俳優がうかがっています。

この春、こうしたセカンドブレイクを遂げ、俳優としての底力を見せつけたのが、ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)の向井理と、映画『キングダム』の山﨑賢人ではないでしょうか。

37歳になった向井理が表現するこまやかな機微

向井理と言えば、その涼やかな顔立ちと8頭身の完璧スタイル、そして明治大学農学部生命科学科卒という知的なバックグラウンドで人気を獲得。2010年、連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』でヒロインの夫・村井茂役を演じ、その名を日本中に知らしめました。

以降も映画・ドラマ・舞台とコンスタントに活躍してきましたが、この『わたし、定時で帰ります。』で演じた種田フィーバーは、ここ数年の安定的な人気とは明らかに異なる、まさにセカンドブレイクにふさわいしい熱狂ぶり。「こんな向井理が見たかった」「向井理はやっぱりカッコいい」という再評価の声がネット上で高まっています。

ポイントは、その演技力に絶賛の声が集まっていること。別れた恋人・結衣(吉高由里子)に想いを残しつつ、上司として平静を装う健気な表情。弟・柊(桜田通)が「兄は仕事しかない。それって幸せなことなんでしょうか」と話すのを立ち聞きしたときの、かすかな眼球の動きと立ち去る背中。報われない種田にこれだけ共感と応援の声が集まるのは、向井理の人間味溢れる人物造形があってこそ。スマートに見えて本当は不器用な種田を柔らかな感性で表現し、ドラマに魅力を添えました。

そして、そんな演技力があるからこそ、持ち前のキュートさも際立つ恰好に。着古した地味なパーカーはどんなブランドもののスーツよりもカッコよく、低めの声は大人の包容力たっぷり。割り箸を口にくわえ、袖の先で覆うようにしてコンビニうどんを運ぶ姿がこんなにも可愛いなんて、罪づくりすぎる37歳です。

もともと『ホタルノヒカリ2』(日本テレビ系)の瀬乃のような、主人公と丁々発止を繰り広げるものぐさキャラは向井理の十八番。ルックスが上品なだけに、ちょっと口の悪い男を演じさせると、そのギャップがたまらないわけですが、今回の種田はその進化バージョン。大人のユルさと頼もしさが加わり、ますます魅力的に仕上がっています。

そんな向井理は7月から舞台『美しく青く』に出演。ここ最近、年1本のペースで舞台出演を重ねていますが、個人的には2016年の『星回帰線』で演じた他者とうまく関係を築けないイケメン役が、人間の脆さや狡さを孕んでいて白眉でした。ここ数年、彼の演技にどんどん味わいが増しているのも、生の空間で観客の視線に晒されながら芝居を深める経験が実りを迎えたからかもしれません。

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最終更新:6/26(水) 14:48
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