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「老後に2000万円不足する」と聞いて、不安なあなたが今すべきこと

6/24(月) 11:01配信

現代ビジネス

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連日報道されているように、金融庁が公表した、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書が話題となっている。「政府の政策スタンスと異なる」などと、麻生太郎金融担当相が報告書の受け取りを拒否したことで混乱は広がっているが、本稿ではその報告書の中身そのものに焦点を当てる。
同報告書では、高齢化により会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になると試算されていた。
老後を安心して過ごすためには、本当に2000万円準備をする必要があるのか? 『ほったらかしでもなぜか貯まる! 』などの著書があるファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんが、いくつかの目安や目標とともに解説する。
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 文・構成/星飛雄馬

報告書の試算は妥当なのか 

 まず、金融庁のこの報告書を見る際に、注意しなければならないポイントがあります。

 報告書が「95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の金融資産の取り崩しが必要になる」と指摘している根拠は、2017年の家計調査にあります。

 家計調査の結果によると、65歳以上の無職の夫婦の収入と支出の実績は、平均月5万円程度赤字となっています。5万円の赤字が30年間続くとすると、約2000万円必要ということですね。

 こうしたデータ自身は、過去の家計調査からも類する結果が出ていて、参考にするのにさほど違和感はない情報と考えられます。

 もう1つ、2018年の金融広報中央委員会による調査(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査])を参照してみましょう。

 この調査によれば、世帯主70歳以上の世帯の平均金融資産保有額は、1780万円とのこと。金融庁の報告書にある、2000万円に近い額になります。このことから、実際に2000万円近い資産があった世代がセカンドライフを送っているからこそ、その資産状況に相応した支出を行い、結果的に平均月5万円の赤字が発生している可能性も考えられます。

 さて、ここで思い出してほしいのが、この連載の前回記事(「貯金ゼロ」が国民の3割? !  いくら貯めれば安心して暮らせますか? )でもお話した、「平均値と中央値の違い」です。

 統計調査においては、数は少なくても値の大きいサンプルが含まれていると、平均値は上振れしてしまう可能性がある、ということを前回お伝えしました。

 そうした平均値の歪みを補うデータが、中央値です。ここで改めて世帯主70歳以上の世帯の金融資産保有額の中央値を見てみると、700万円となっていることが確認できます。
 
このように整理してみると、

 ・既に資産がある人が足りない部分をまかないながら生活している数字が含まれている
・既にある資産もばらつきがあり、3000万円以上の人もいれば金融資産がない人もいる

 可能性が想像されます。

 統計データは、自分の将来や、全体から見た立ち位置を確認することには大きな足がかりになりますが、実際の自分の数字とは大きくずれる可能性も含み置きながら参考にする必要があります。特に貯蓄の額や、毎月の収支などは、家庭による振れ幅が大きく平均値だけでは必ずしも我が家をはかることができません。

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最終更新:6/24(月) 11:35
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