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10年で利用者「伸び」1位、意外な大手私鉄の名前

6/24(月) 6:00配信

東洋経済オンライン

 利用者を増やしている鉄道会社はどこか。日本民営鉄道協会では大手私鉄16社の輸送人員を定期、定期外に分けて発表している。この10年分(2009~2018年度)をまとめた輸送人員の推移から、興味深い事実が浮かび上がってきた。

【表】大手私鉄16社、定期券利用者の伸び率

■阪神、10年後も続く新線効果

 まず定期利用者から見ていこう。2009~2018年度の伸び率ナンバーワンは阪神電鉄。2009年度の輸送人員を100とした場合、2018年は131.1となる。

 伸び率が高い理由は2009年の阪神なんば線全線開業で尼崎と大阪難波間が結ばれたこと。神戸方面から大阪のミナミに向う場合、阪急線やJR線を利用する場合は梅田駅などで乗り換えが必要だったが、阪神は直通するというメリットを生かし利用者を増やした。

 また、大阪難波では近鉄奈良線との相互乗り入れも実現した。このため、近鉄沿線の利用者が神戸に向かう場合も、阪神線を選択するケースが増え、これが阪神の伸び率トップにつながっている。阪神電鉄の秦雅夫社長は、「輸送人員の増加のうち、沿線力の向上によるものが3分の1、残り3分の2がなんば線開業効果」と語る。

 それにしても、開業から10年を経たというのに、現在も高い伸びを保っているのは驚きだ。秦社長は「もうしばらくは伸びるのではないか」と期待する。

 2位は東京メトロで伸び率は22.2%。東日本大震災が起きた2011年を底に高い勢いで伸びている。その後の景気拡大による雇用環境の改善に伴い、定期券利用者が増えたとみられる。

 3位は名古屋鉄道で20.7%増。同社は「三河線・西尾線で利用者が伸びている」と説明する。三河地区はトヨタ関連の工場が集積している。トヨタ自動車の好調が高い雇用を生み、それが定期券利用者の増加につながっているという構図だ。

 4位は東急電鉄の14.7%増。東急沿線の高いブランド力を考えると、この順位は当然ともいえる。

 逆に下位を見ると、ワースト1位の近畿日本鉄道は2009年度よりも利用者を減らしてしまった。近鉄の営業範囲は非常に広く景気拡大効果よりも地方部の人口減少の影響が大きかったようだ。ワースト2位は南海電鉄、同3位は京阪電鉄で、下位3路線はいずれも関西地盤の鉄道会社だ。

 ワースト4位は相模鉄道だが、今年11月にはJR線との相互直通運転が始まり、念願の都心乗り入れを果たす。その先には東急線への乗り入れも控える。阪神なんば線効果で10年間にわたって高い伸びを維持している阪神のように、相鉄もJR直通を機に定期利用者数を長期間にわたて増やし続けることができるだろうか。

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最終更新:6/24(月) 6:00
東洋経済オンライン

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