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住宅ローンは病気があると「団信」に加入できない?リスクのある病名と、ワイド団信加入などの対策紹介

6/24(月) 9:20配信

ダイヤモンド不動産研究所

住宅ローンを借りる際に、病気・持病などが原因で「団信」に加入できず、住宅ローンを借りられないという問題が起こることがある。持病がある場合、「ワイド団信」の加入や、団信加入が必要ないフラット35を選ぶなどの対策が必要になる。理想の住まいと資金計画支援機構(東京都渋谷区)代表理事で、ファイナンシャルプランナー(CFP)の峰尾茂克氏に詳細を聞いた。

持病ありでも借入をするためのポイント

 住宅ローンを借りる際には、一般的に本人の返済能力に加え、団体信用生命保険(団信)に加入する必要がある。そのため、住宅ローン借入時には健康状態を告知し、審査を受ける必要があるが、持病があると団信に加入できず、借り入れができない可能性がある。  

団信とは、住宅ローン借り入れ後、返済中に死亡、あるいは所定の高度障害状態となった場合に、保険金でローンを返済するもの。残りのローンはゼロになり、家族はローン返済の義務なく住まいが残る「保険」だ。保険料については、銀行などの金融機関では、住宅ローン金利の中に含まれるケースが一般的である。



「団信は文字通り団体の保険であることから、個人で契約するより、一般的に保険料は割安です」と峰尾氏。最近の団信には、多様な種類がある。

ただし、糖尿病や、精神疾患などの持病があったり、健康状態に問題がある場合は、団信の審査に落ちてしまうこともある。峰尾氏によると、団信に加入できなかった場合の対応策は5つあるという。

1.銀行などの金融機関を変更してみよう銀行などの金融機関によって団信を扱う保険会社は決まっている。A銀行は、B保険会社を引受保険会社としており、C銀行はD保険会社というように、各金融機関はそれぞれ引受保険会社が異なるのだ。



「団信の引き受け基準は、住宅ローンを借りる際の引受保険会社により異なります。加入できるかどうかは、保険会社次第。一例として、今、精神障害を患っていたり、過去3年以内にがんによる手術などを受けたりしていると、引受保険会社は、どの金融機関でも借り入れが難しいと判断することが多いもの」とのこと。

ただし、「保険に加入する時の告知書の内容は、各引受保険会社により微妙に異なっています。ですから、病気の内容によっては、銀行を変えて、再度、団信の審査を受けると、加入できることもあります」(峰尾氏)

 そこで、A銀行で団信に加入できなかった場合、C銀行に住宅ローンを申し込んで審査をしてもらうのも方法だ。



2.ワイド団信を利用する 次に、持病があっても加入できる「ワイド団信付き住宅ローン」を扱っている銀行などの金融機関を利用する方法がある。

「ワイド団信」とは、従来の団信よりも引き受け基準が緩和されたもの。高血圧、糖尿病、肝炎などの持病を抱えており、健康上の理由から一般団信に加入できなくても入れるよう、審査を緩和した商品だ。

メガバンクを始め、地方銀行やネット銀行などでも取り扱いが増えている。「ワイド団信」に加入するなら、返済時の金利は年0.2%~年0.3%程度、上乗せされるケースが一般的だ。今、健康に問題を抱えているなら、検討したい。

以下は、じぶん銀行の「ワイド団信」で過去に引き受け実績がある病気だ。逆を言えば、以下の病気であると、通常の団信に加入できない可能性があるということになる。

じぶん銀行のワイド団信で過去に引受実績のあるおもな例
【代謝異常による病気】糖尿病、脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)、高尿酸血症・痛風など
【心臓・血圧の病気】狭心症、心筋梗塞、不整脈、心房細動、期外収縮、心臓弁膜症、高血圧症、血栓性静脈炎(静脈血栓症)など
【脳の病気】脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳動脈瘤(脳動脈解離)、てんかん、ギランバレー症候群
【精神・神経の病気】うつ病・うつ状態、自律神経失調症、適応障害、不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害、神経症など
【食道・胃・腸の病気】潰瘍性大腸炎、クローン病、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸ポリープなど
【肝臓・胆道・膵臓の病気】肝炎・ウイルス肝炎(B型肝炎・C型肝炎)、肝機能障害、脂肪肝、胆石、胆嚢ポリープなど
【腎臓と尿路の病気】腎炎・糸球体腎炎、IgA腎症、腎臓機能障害、腎臓結石、蛋白尿、ネフローゼ症候群など
【呼吸器(胸部)の病気】喘息、気管支炎、肺炎、肺血栓塞栓症、結核、睡眠時無呼吸症候群など
【目・耳・鼻の病気】緑内障、白内障、網膜剥離、難聴、副鼻腔炎など
【ホルモン・免疫異常による病気】バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、甲状腺機能低下症、リウマチ性疾患、橋本病、全身性エリテマトーデスなど
【血液・造血器の病気・異常】貧血、赤血球・白血球の数値異常など
【妊娠・女性特有の病気】妊娠、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮頸部異形成、子宮内膜炎など
※出所:じぶん銀行「団体信用用生命保険とは」。記載の疾病のカテゴリーや病名は一例であり、ワイド団信の加入可否は、病名だけで決定するものではない。一方で、ワイド団信には、年齢制限がある。

「通常、ワイド団信を利用する場合、一般的に銀行などの金融機関では『50歳未満(金融機関によっては51歳未満)』という条件が課されています。この年齢を超えたら諦めがちですが、たとえば、『ARUHIスーパーフラット』という商品があります。65歳まで「ワイド団信」が申し込みでき、しかも全期間固定金利で住宅ローンが組める商品もあるので着目したい」(峰尾氏)という。

3.フラット35を利用する

 もし、「ワイド団信」を利用しようとしても年齢制限を超えて団信に加入できないといった場合などは、「団信に加入しないで住宅ローンを借りる」という方法になる。選択肢に上がるのが、民間金融機関と住宅金融支援機構の提携商品である「フラット35」だ。

フラット35の金利には団信が含まれているが、団信を外しても借り入れができる。その場合、金利は提示されているものからマイナス0.2%となる。

しかし、持病があるのに「団信なし」とはいかにもリスクが高い。夫が死亡したり、所定の障害を負って職を失ったりしたときには、残された妻が住宅ローンを返済しなければならないからだ。
 
 峰尾氏は「仮に団信に加入しない場合、他に生命保険に加入していなければ、住宅ローンを借り入れした人が亡くなっても、住宅ローンの残債は無くなりません。そのため、遺族が住宅ロ-ンの返済を続けられない場合、その家は売却せざるを得ない状況になる可能性があるので、注意が必要です」と話す。

4.ローンの申し込み者を妻に  そこで、共働き夫婦なら、住宅ローン申込者を妻にするという手段もある。

「最近では、夫婦共働きは珍しくありません。独立行政法人労働政策研究・研修機構のデータ上でも、専業主婦世帯よりも夫婦共働き世帯の方が多いという結果があります」(峰尾氏)

そこで、「妻が職をもち、健康上に問題がなければ、妻と夫の収入を合わせた『収入合算連帯保証型』のローンにします。さらに、妻が住宅ローンの主たる申込者となり、夫を連帯保証人にするのも一法です」と峰尾氏。基本的に連帯保証人に団信の加入義務はないからで、これなら、夫が団信に加入できなくても、住宅ローンを借りられる。

 ただし、注意点はある。

妻を住宅ローンの申込者、夫を連帯保証人とした場合。一般的には妻だけでなく夫の収入部分も融資の審査対象になることから、借入可能額が増える。つい気持ちが大きくなって、予想外に高額な物件を購入してしまうことがある。

「妻が申し込み者となって団信に加入する場合、妻の死亡時には、妻が借りた住宅ローンは団信によりゼロになりますが、夫が死亡しても団信未加入のため、妻だけでローンを返済せざるを得なくなります」(峰尾氏)

夫妻共働きの現状では、何とか住宅ローンが払えても、将来妻が一人になったとき、多額の住宅ローンを払い続けられないというのは、問題だ。身の丈にあった物件選びは必須だろう。

なお、住宅ローン控除は、条件に合致してローンを借り入れた人に対して適用される制度だ。妻だけが借り入れており、「夫を連帯保証人としたなら、夫に所得があっても住宅ローン控除は受けられない」(峰尾氏)とのこと。

また、「連帯保証」契約ではなくて、「連帯債務」契約にした場合は、住宅ローン控除を受けられる。詳しくは下記の記事を参考にしよう。

【関連記事】夫婦で一緒に借りた住宅ローンは、離婚すると「思わぬトラブル」の原因になる!連帯保証、ペアローンのデメリットを解説

5.購入時期をずらす もう一つ。峰尾氏が提案するのは「あえて、購入時期をずらす」という選択だ。

団信は、告知期間が決まっている。たとえば、審査のための質問には「過去3年以内に、所定の病気で手術を受けたり、2週間以上にわたって医師の治療や投薬を受けたりしたことがありますか」として、細かな病名が示されている。もちろん、正直に告知するのだが、治療や投薬を終えて3年超であれば、「いいえ」と回答しても、一般的には告知義務違反にはならない。

告知期間は保険会社によって異なるが、峰尾氏によると、団信の場合、一定の障害以外は「3年が目安」とのこと。「告知期間が過ぎるまで、頭金を貯めておくという方法もあります。ただし、この場合は、金利や物件価格が上昇するリスクも認識しておきたいものです」という。

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最終更新:6/24(月) 9:20
ダイヤモンド不動産研究所

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