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イランが撃墜した米軍の無人機、その「空飛ぶ監視塔」の恐るべき能力

6/25(火) 19:11配信

WIRED.jp

イランが6月20日(米国時間)の早朝、ペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡で米国の無人機を撃墜した。イランは撃墜した無人機を「RQ-4A グローバルホーク」であることを明らかにしている。大規模な空中監視プラットフォームとして機能する2億2,000万ドル(約236億円)の無人航空機(UAV)だ。

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撃墜された無人機の価値と探査能力を考えると、この攻撃は米国とイランの間の緊張がさらに深刻化していることを示している。

イランのイスラム革命防衛隊は20日、ノースロップ・グラマンの「グローバルホーク」(2001年に始まった数十億ドル規模のプログラムで開発された無人航空機)がイラン領空に侵入し、イラン領海に墜落したと発表した。米中央軍は攻撃の時間とおおまかな位置を確認したが、無人機は国際水域上空を飛行していたと主張した。

今回の撃墜は、オマーン湾で発生した燃料タンカー2隻が攻撃された事件に関して、イランが関与していると米国がイランを非難した直後に起きた。米国はまた、イランが別の無人航空機「MQ-9 リーパー」を撃墜しようとしたが失敗したと発表した。

米国防総省も、2週間前にイエメンでリーパー無人機の墜落を引き起こした攻撃にイランを関連づけている。しかし20日の攻撃は、はるかに高額な大型無人偵察機を攻撃対象としており、より明らかな緊張の高まりを示していると考えていい。

「ここでは多くのことが起きています。おそらく確認されているのはその一部だけです」と、米戦略国際問題研究所(CSIS)ミサイル防衛プロジェクトのディレクター、トーマス・カラコは語る。「今回撃墜されたのは高額な無人機で、高高度を飛行できる高性能で滞空時間の長い諜報監視偵察機です。もしイランが国際水域上空の国際空域で航空機を撃墜しているのであれば、何らかの報復措置を招く可能性があります」

最新の空飛ぶ監視塔

グローバルホークは2001年から使用されている大規模な監視プラットフォームだ。翼幅は40m以上、最大離陸重量は16トン以上ある。これはコカインを詰めた輸送用コンテナおよそ7個分に相当する重量だ。

航続距離は22,000km以上、高度18,000mの驚くほど高い高度で飛行でき、連続滞空時間は34時間。攻撃能力はない。グローバルホークの価値は、その航続距離、見晴らしのよさ、および持続性を強力な監視センサーと組み合わせて、地上または海洋の活動を非常に詳細に監視する能力にある。米政府説明責任局(GAO)の分析によると、グローバルホークは機体によっては製造と装備に2億2000万ドル(約236億円)以上が費やされている。

グローバルホークは通常、赤外線およびサーマルイメージング、レーダー、電気光学イメージングに対応したセンサーを装備している。そして巨大な機体と運搬能力によって、無人機が巨大な望遠カメラレンズのような装置を利用してターゲットの詳細な画像を得ることを可能にする。

しかし、欧州外交評議会(ECFR)の政策研究員であり、無人機研究者であるウルリケ・フランケが指摘するように、米軍は無人機に任務に応じた異なる装置を搭載している。したがって、今回のグローバルホークの正確な装備は不明だ。「わたしたちが知らない超秘密スパイ技術が装備されている可能性は常にあります」とフランケは語る。

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最終更新:6/26(水) 12:41
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