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ジュリア クアドリフォリオはテーマ8.32の再来だ!【ジュリア比較試乗記】

6/25(火) 21:04配信

GQ JAPAN

アルファロメオの4ドア・セダン「ジュリア」のハイパフォーマンスグレード「クアドリフォリオ」の存在価値を考えた。プラス約500万円の価値とは?

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クアドリフォリオありきの現行ジュリア

新生アルファロメオの第1弾「ジュリア」に「クアドリフォリオ」は必要なのか? ジュリア 2.0ターボ・スーパーの元オウナーであるI氏はつねづね疑問に思っていた。それほど彼は自分の愛車であったジュリア・スーパーに満足していた。

いわば、BMW「320i」オウナーが「M3」の、メルセデス・ベンツ「C200」オウナーが「AMG C63」の存在意義を疑うのと同型である。

ただし、M3の場合はM社が、C63の場合はメルセデスAMG社という別組織が、標準モデルと同時並行的に開発しているのに対して、現行ジュリアはまずクアドリフォリオありきだった。1992年に生産を終了した75以来の後輪駆動セダンを復活させるにあたって、アルファ・ロメオは「スカンク・ワークス」なる少数精鋭のチームを結成し、2年という短期集中で、ウルトラ高性能セダンがつくりあげた。ラテンの天才のなせるわざというほかない。

ジュリア クアドリフォリオなかりせば、そのほかのジュリアも存在しない。その意味で申しあげれば、クアドリフォリオが必要なことは自明である。

というような時間的経緯をいまさら繰り返していても始まらない。I氏の疑問を解くには試乗してみるにしくはない。そこで筆者はジュリア2.9V6ビ・ターボ・クアドリフォリオとI氏の愛車であった2.0ターボ・スーパーを某日、短時間ながら味わってみたのだった。

フェラーリのセダンモデルがクアドリフォリオ!?

まずはクアドリフォリオである。2.9 V6ビ・ターボという名称があらわすごとく、2891ccのV型6気筒ツインターボエンジンをフロントに搭載する。最高出力は510ps/6500rpm、最大トルクは600Nm/2550rpmという途方もないパワー&トルクを発揮するこれは、基本的にフェラーリV8から2気筒削ぎ落としたものだという。86.5×82.0mmのボア×ストロークは現行「ポルトフィーノ」のV8と同一で、そのサウンドを聴いていると跳ね馬との血縁を感じずにはいられない。

その回転マナーの滑らかなこと絹の如しで、ともかくやたらまわりたがる。まわるにまかせていると恐ろしいほどの速度に簡単に達してしまう。

試乗当日はあいにく小雨が降っており、路面が濡れていた。不用意にアクセルを開けると、ズルリと後輪がスライドする。3速でだって、ズルリとくる。いまどきトンデモないじゃじゃ馬だ。もちろん、即座にトラクション・コントロール等の各種電子制御が作動し、アブナイことはまったく起きない。起きないけれど、筆者の心胆を寒からしむるには十分である。君子危うきに近寄らず、をモットーとする筆者はもちろん電子制御をカットするような愚は犯さない。

ステアリングは恐ろしいほどクイックで、しかも羽が生えたごとくに軽い。あり余るパワーとトルクで、羽が生えたごとくに軽い動的性能を備えてもいる。羽が生えているから、どこか不安を感じる。ハリー・ポッターは魔法の箒を自在に操って空を飛ぶわけだけれど、怖がっていてはああいう芸当はできない。

510ps、600Nmもの大パワーと大トルクが、本来はものすごく速いはずのクアドリフォリオを、私をして速く走らせることを妨げる。クアドリフォリオは、実は200psのスーパーより遅い、と、私は正直なクレタ人だとクレタ人が言った、というような状況を現出させる。

恐怖に打ち勝った者だけが、じゃじゃ馬クアドリフォリオを乗りこなすことができる。そういう“フェラーリの4ドア”と表現されるにふさわしい、スリリングな4ドア・セダンをつくったところにラテンの天才性がある。

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最終更新:6/25(火) 21:04
GQ JAPAN

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