ここから本文です

法律上の定義はない?急増する「コワーキングオフィス」とは

6/25(火) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

“コワーキングオフィス”は法律上の定義もなければ、業界の統一された定義も存在しない。あいまいであるが故に、その実態も把握し切れていないのが現状である。本記事は、様々なフレキシブルオフィスとの比較からコワーキングオフィスの定義を導いたうえで、その実態を把握していく。※ロサンゼルスを本拠とする世界最大の事業用不動産サービス会社のシービーアールイー株式会社(CBRE)。本連載では、そのリサーチ部門が世界の不動産市場の最新情報をお伝えします。

大企業の関心が高まり、市場規模が急速に拡大

東京の賃貸オフィスマーケットでは、ここ1、2年前から、「テナントとしてコワーキングオフィスが内定した」、ということをよく耳にするようになった。企業の関心度も高い。

CBREがオキュパイアーに対して実施したアンケート結果*によると、東京23区に拠点を置く企業の23%が、コワーキングオフィスなどのフレキシブルオフィスをすでに利用しているか、又は今後1年以内に利用する予定と回答している(図表1)。

足元でもコワーキングオフィスの開設は相次いでおり、突如として爆発的なブームが生じているかのようにも見える。

■大企業の関心の高まりから急速に拡大するコワーキングオフィス

東京都内におけるコワーキングオフィスの市場規模は、346拠点、6.6万坪。これは東京23区の賃貸オフィスマーケット市場規模に対して、面積ベースで1.0%の割合(2018年9月時点推計)。

東京23区における賃貸オフィス成約面積に対するコワーキングオフィスの開設面積の割合は年々高まっており、直近2018年は7.9%。賃貸オフィスマーケットにおけるコワーキングオフィスの存在感は急激に高まっている。

市場規模が急速に拡大した理由は、大企業の関心が高まったためだ。これまでは個人やスタートアップ企業がオフィスコストを抑える目的で利用する小規模なコワーキングオフィスが多数を占めていた。しかし近年は、大規模なコワーキングオフィスが出現してきたことで、生産性向上や従業員の利便性を高める手段のひとつとして、大企業もコワーキングオフィスの利用を検討するようになり、このような新しい需要が市場規模の拡大を後押しした。

■コワーキングオフィスは従来のオフィスのあり方を変える

働く場所、時間、賃貸借契約の柔軟性が益々求められるようになっていることや、会計基準の変更など、今後もコワーキングオフィスが増加する要因は多く、当面は市場規模の拡大が続くだろう。大企業にも利用が浸透すれば、従来のオフィスのあり方にも変化をもたらす可能性もある。

市場規模の拡大が見込まれ、賃貸オフィスマーケットにおける存在感が高まる中で、コワーキングオフィスの動向は引き続き注視していく必要があるだろう。

■コワーキングオフィスの定義

いまだ、コワーキングオフィスの定義について共通認識はない。現在、コワーキングオフィスを称する施設を見渡しても、空間造りやサービス内容は多岐にわたる。そこで、本レポートの目的であるコワーキングオフィスの実態を把握するために、まずその境界線(定義)を明確にしておきたい。

そもそも、机や椅子、会議室などを他の利用者とシェアする形態は、従来からシェアオフィスとして認知されている。コワーキングオフィスは、シェアオフィスの特徴に加えて、スペース内でイベントを催したり、利用者同士の交流を促進する機能をもった、コミュニケーションに重点を置くものである。そうだとすれば、コワーキングオフィスとは下記のように定義付けられる。

「異なる企業に属する者或いは個人同士が、共通の場で机、椅子、会議室などの諸設備をシェアし」、「利用者同士のコミュニケーションを促進するハード面及びソフト面の仕組みが構築されている」ワークスペース

「利用者同士のコミュニケーションを促進するハード面及びソフト面の仕組み」とは、スペース内でのイベント開催スペース、利用者のスキルや業務分野がコミュニティ内で共有される仕組み(掲示版、専用SNSなど)、利用者のビジネスをマッチングさせるコミュニティマネージャーの存在、などを含む。

■コワーキングオフィスとその他のフレキシブルオフィスとの違い

 

1/2ページ

最終更新:6/25(火) 8:00
幻冬舎ゴールドオンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

富裕層・企業オーナー必読!「知識武装し、行動する」ためのWEBメディア。「資産防衛」に関する最新情報とノウハウを配信!

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事