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マンゴーとドリアンを分別廃棄しろだと?上海大混乱

6/25(火) 14:20配信

JBpress

 (姫田 小夏:ジャーナリスト)

 中国・上海では生活ゴミの分別の話題で持ち切りだ。単なる“茶飲み話”ではない。住民たちはちょっとしたパニック状態に陥っていると言っても過言ではない。

【写真を見る】上海の集合住宅などに張り出されたゴミの分別基準。「基準がよくわからない」と住民の間に混乱が生じている。

 7月から施行される「上海市生活ゴミ管理条例」によれば、生活ゴミは今後以下のとおり4種類の分別が必須となる。これに従わない住民は50元以上200元以下の罰金が課されるという。

 (1)紙類、瓶、衣類、金属、プラスチックなどの「リサイクル可能なゴミ」 
(2)電池、蛍光灯、薬品、ペンキとその容器、殺虫剤などの「有害ゴミ」
(3)残飯、期限切れの食品、青果物の種や皮などの「濡れたゴミ(湿垃圾)」
(4)上記以外の「乾いたゴミ(干垃圾)」

■ わけが分からない分別の基準

 この春頃から上海の友人たちは、しきりにこの新しいゴミ分別を気にしていた。筆者は「分別回収に対する住民の意識が高まるのだからいいんじゃない?」と軽く受け流していたが、どうやらことはそう簡単ではないようだ。「濡れたゴミ」とは単なる「生ゴミ」だと思っていたが、実はそうではないらしい。

 テレビでは「使用済みのティッシュやトイレットペーパーはどう分類するのか」といった話や、SNSでは「マンゴーの種は『濡れたゴミ』だけど、ドリアンの皮は『乾いたゴミ』らしい」など困惑の声が飛び交っている。

 行政側が作成した事例集を見てみたところ、確かにその分類法には首を傾げてしまう。

 例えば、落花生の皮は「乾いたゴミ」に分類されるが、ビスケットは「濡れたゴミ」に分類されている。鶏、鴨、鵞鳥の骨は「濡れたゴミ」だが、牛や豚の骨は「乾いたゴミ」。また、濡れたゴミ袋、ウェットティシュー、粽の竹の皮、貝殻などは「乾いたゴミ」に分類されるようだ。

 どうしてこうなるのかさっぱり分からないが、「濡れたゴミ」とは「台所から出る水気のある食品ゴミ」ではなく、「腐りやすいものかどうか」が基準となるようだ。

 そんなある日、上海の友人が「これ見て!」とSNSに書き込まれたある中国人のコメントを送ってきた。それは分別のコツとして「豚の気持ちで考えよう」というものだった。つまり、豚が食べられるものは「濡れたゴミ」、豚も食べないゴミは「乾いたゴミ」、豚が食べて命を落とすゴミは「有害ゴミ」というように分けるのだという。上海住民の間では「なるほど~!」「上手いこという!」と多くの共感を集めていた。振り返れば上海でも生ゴミを豚の飼料にするために回収していた時期があった。

■ ゴミ袋にQRコード? 

 上海市における今回の新たなゴミ分別の導入には、分別に慣れているはずの日本人も当惑している。

 浦東新区に在住する日本人女性は、「すでに居民委員会(共産党による町内会のような組織)からボランティアの指導員が派遣されてきて、分類方法を説明し、ゴミ捨て指導を行っています」という。浦東新区に限らず「どこの家庭ゴミの集積場でも厳しい管理が行われるようになった」(静安区に在勤する上海人男性)ようだ。

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最終更新:6/25(火) 14:35
JBpress

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