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5万ウォン紙幣が変えた韓国の生活習慣

6/25(火) 6:10配信

JBpress

 2009年6月23日、韓国で最も高額紙幣にあたる5万ウォン(1円=10ウォン)が登場した。それから10年、慶弔費で5万ウォン紙幣を使うことがすっかり定着した。

 キャッシュレス化も急速に進んだ。5万ウォン紙幣を通して韓国の経済社会の変化を考えてみた。

 登場から10年。5万ウォン紙幣は最もよく使う紙幣になった。

 韓国銀行は発行10年を機に「5万ウォン紙幣発行10年の動向と評価」という報道資料を出した。

■ 慶弔費が5万ウォンからに

 それによると、2019年5月末時点で市中に流通している5万ウォン紙幣は金額で98兆3000億ウォンですべての紙幣の84.6%を占める。

 枚数ベースでも全体の36.9%で全体的に高い数字になっている。

 2018年時点の現金使用状況を見ると、国民が使っている現金のうち5万ウォン紙幣が金額ベースで43.5%を占める。

 中でも、最もよく使うのが慶弔費だ。結婚式や葬儀で包むお金は今でも現金だが、全体の79.4%が5万ウォン紙幣だ。

 「5万ウォン紙幣の登場で慶弔費が上昇した」

 特に若い会社員などはこう話す。会社の同僚や学生時代の知人の慶弔費として、1万ウォン紙幣を何枚か入れる場合も多かった。

 しかし、5万ウォン紙幣の登場で「基本は5万ウォン、親しい知人などの場合は10万ウォンになった」という指摘が多い。

 5万ウォン紙幣が登場するまで韓国で最高額の紙幣は、1万ウォン紙幣だった。1973年に発行が始まっており、36年ぶりの高額紙幣だった。

 この間、韓国は高度経済成長が続いた。物価上昇も同時進行で進み、高額紙幣の発行を求める声が強まっていた。

 それでもなかなか発行しなかったのは、インフレ誘発と地下経済拡大への懸念が根強かったからだ。

■ 国際的には安い最高額紙幣

 5万ウォン紙幣発行から10年。2つの懸念はどうだったのか? 

 韓国の経済成長率が鈍化したこともあり、慶弔費など一部を除いてインフレは起きなかった。そもそも諸外国に比べて韓国の最高額紙幣が5万ウォンというのは、高くない。

 韓国銀行によると、OECD(経済開発協力機構)加盟20カ国にうち、最高額が5万ウォンというのは低い方から4番目だという。

 平均は16万ウォンで、3分の1以下だ。それだけインフレ誘発効果も小さいとも言える。

 地下経済については、いろいろな見方がある。

 IMF(国際通貨基金)の研究報告によると、韓国の地下経済の規模は2009年時点ではGDPの23.1%に相当したが、2015年には同19.8%に低下した。

 データの取り方次第という気もするが、5万ウォン紙幣の発行を機に地下経済の規模が一気に拡大したとの見方はほとんどない。

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最終更新:6/25(火) 10:15
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