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「4世代家族」と「5つ子」から見えた、若い母親が直面する現実

6/25(火) 8:00配信

現代ビジネス

「女系」でつながった4世代家族

 先日、テレビをつけると「4世代対抗リレー第二弾」と銘打ったバラエティ番組が放送されていた。

「明日の食費がない…」シングルマザーの貧困

 「4世代」とは子、母、祖母、曽祖母。登場した5組のうちひと組は高祖母まで揃った「5世代」で、いずれも「女系」でつながった家族である。

 番組は家族単位で個々のメンバーが出産に至った経緯や婚姻歴等を紹介したのち、最後にファミリー対抗でリレーをするといった内容だったが、進行役を務める出演者が「リレーはもうどうでもよい」と言うように、番組が一番盛り上がった「山場」はそれぞれの家族史を可視化する「家系図」のシーンだった。

アメーバ状の家系図が示すもの

 この少子化時代にもかかわらず、「(女系)4世代家族」が示したのは縦だけでなく横へもアメーバ状に広がりを見せている「家系図」だ。それはとりもなおさず、女性たちが離婚・再婚を繰り返しているからこそ。

 日本の法的婚姻の4分の1が「再婚がらみ」と言うことは、現在でもこのタイプの家系図は決して例外ではないとも言えるだろうし、実は戦後の一時期を除けば、「妻も夫も複婚して、異母兄弟異父兄妹が存在する」という「家系図」は定番だったのだろう。

 しかし「夫婦と未婚の子」と言う現在の戸籍編成のイメージも重なり、戦後の昭和、平成、令和の「家系図」は親世代から子世代へ下へ下へと二筋か三筋、きょうだい人数分だけが伸びていくイメージとなっていて、よもや一世代でこれだけ横に広がることが可能だとは思っていない。その意味でも、衝撃的だった。

視聴者の「説教マインド」を駆り立てる

 家族で「4世代リレー」が成立するのは、母親たちがどの世代も基本的には若年で出産しているからこそだ。

 リレー参加家族の出産年齢は17歳、18歳が主流であり、未婚で出産、もしくは結婚するも出産後早期に離婚に至ったケースが多く、世代を問わずシングルマザーとして奮闘する姿もテレビでは映し出される。

 現在20代~30代の母世代は、子どもたちにいわゆる「キラキラネーム」をつけていることも共通点。また、テレビ出演にあたってはメイク等、母親自身の身なりにもそれ相当の時間がかかっている。

 母親イメージは薄く、視聴者には「こんな状態で子育てして、大丈夫か」等、実際の彼らの生活ぶりを見てはいないのにもかかわらず「根拠のない不安」を持たせ、ついつい説教の一つもたれたくなるような「上から目線」に立たせる効果を出す。

 なるほど、大家族モノや若年親子モノが根強い人気を保っているのは、おそらく誰しもの中にある「説教マインド」を刺激し、呼び起こすからだ。

 彼らを「常識がない」とすることで自分は「常識があるのだ」と確認し、どこかでホッとできる瞬間をもたらしているのかもしれない。

 「4世代リレー」もその文脈で企画されたのだろうか。

 ネットでの批判を見ると、たとえば隣近所で同様タイプの母親たちを見かけても注意できないが、テレビ番組の画面に対しては、言い返される心配もないので本音を言える場として人気があるのかもしれないと思わされる。

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最終更新:6/25(火) 8:00
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