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日本国民はダマされた…年金だけでは全然生きられない「残酷な現実」

6/25(火) 23:01配信

現代ビジネス

 年金の繰り下げ受給を選ばせようと、厚労省や年金機構は、あの手この手で誘導しようとしている。だが、明白な罠がある。「政府御用達」新聞までが批判しはじめた「繰り下げ」の盲点とは? 

役所があえて教えない、申請すれば「もらえるお金・戻ってくるお金」

追加された棒グラフ

 私たちは騙されていた。

 「100年後でも絶対大丈夫ということを申し上げます」('04年4月・森英介厚労副大臣〈当時〉)

 「100年安心にしていくという案を作ったわけでありますから、それに向かって政策努力を重ねていく」('04年6月・坂口力厚労大臣〈当時〉)

 今から15年前、彼らが固く約束した「年金100年安心プラン」。それは、今後100年間にわたり、「現役世代の手取り収入の50%」が年金として確実に支払われるというものだった。

 だが、この6月に金融庁の審議会が発表した報告書(原案)では、公的年金の水準について「中長期的に実質的な低下が見込まれる」と記した。

 さらには、厚生年金の受給者であっても生活費が月5万5000円も足りず、「老後30年間で2000万円不足する」と試算したのだ。

 人生100年時代、2000万円の貯蓄がない人は、年金だけでは生きられないというのか。この国の為政者たちは、「100年安心プラン」を「100年自己責任プラン」へとすり替えた。

 無為無策ではすまされない。年金保険料を40年にもわたって徴収してきて、結果がこれなのか? 
 それだけではない。いま彼らは、私たちの年金の受給を、できるかぎり遅らせようと、水面下で足掻いている。

 不審に気付いたメディアがある。件の報告書が公表されて5日後、6月8日の日経新聞朝刊――。

 〈年金 新「定期便」の読み方 繰り下げ強調 不利益も〉

 ねんきん定期便はご存知だろう。毎年1回、誕生月に日本年金機構から送られてくるハガキだ。厚生年金・国民年金の加入期間や受給見込額が記されている。この定期便の内容の一部が4月に変わり、追加された部分があるのだと記事は書く。

 〈繰り下げ受給についての説明だ。年金はもらい始める年齢を通常の65歳より遅らせる(繰り下げる)と毎年の年金額が増える。新しい定期便は、70歳まで遅らせた場合に最大42%増額されることを図を用いて説明している〉(同紙より)

 ハガキのなかでもひときわ目立つ大きさで書かれた図には、〈増額イメージ〉として、「最大42%増」と繰り下げ受給時の棒グラフが記されている。説明文にはこうある。

 〈年金受給を遅らせた場合、年金額が増加します(70歳を選択した場合、65歳と比較して最大42%増)〉

 まるで、繰り下げが「正解」であるかのような説明なのである。

 日経記事は、「繰り下げで年金額が増える点ばかり示すのはバランスを欠く」「人によってはデメリットが生じる可能性があるが定期便はその点に触れていないので注意したい」といった識者のコメントを列挙している。

 記事全体に、繰り下げに誘導しようとする姿勢に対し、否定的なトーンが溢れている。

 反政権寄りとされる朝日や東京新聞ではなく、「財務省と財界の代弁者」と言われてきた新聞の手によるものだということに注目したい。要するに、日経ですら、「これは危ない」と注意喚起を始めたのだ。

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最終更新:6/26(水) 8:40
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