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広島OB カープのレジェンド捕手、達川光男氏が分析「カープ捕手メンバーは石原慶幸の好影響を受けている」

6/26(水) 6:04配信

広島アスリートマガジン

現在カープの一軍には、正捕手の會澤翼を筆頭にベテランの石原慶幸、成長著しい磯村嘉孝、打撃が魅力の坂倉将吾と4人の捕手を擁している。
12球団屈指とも言える捕手陣の特徴、そして強みは一体どこにあるのか? 80年代黄金期に正捕手として活躍した達川光男氏が、独自の見解を語る。

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 現在カープは會澤翼、石原慶幸、磯村嘉孝、外野兼任の坂倉将吾と4人の捕手が一軍登録されており、捕手4人体制ということになります。12球団を見渡してみると、小林誠司、炭谷銀仁朗、大城卓三、主に代打である阿部慎之助を擁する巨人によく似た捕手布陣です。巨人も踏まえて他球団の捕手事情を考えてみても、カープ捕手陣は高いレベルにあると見ています。

 昨季から會澤を基本に、投手との相性で石原、磯村がスタメンマスクを被っていますが、ここ数年球界は投手によって起用する捕手が変わるという傾向が強くなっています。私の現役時代はチームで1人の捕手が正捕手として戦っていくことが基本でしたが、これも時代の流れでしょう。あくまでも勝つことが目的であって、どちらが良い悪いということではありません。

 また、カープの捕手が全体的に良くなった要因として私が感じているのは、『石原によく似てきている』ということです。たとえば正捕手である會澤の捕球時の構え、投手に返す返球、早く構えず程よいタイミングで捕球する動作などを見ていると、捕手としてレベルが高い石原の良い部分を真似ているように思います。これは磯村、坂倉ら若い捕手にも言えることです。

 まず正捕手である會澤ですが、ご存知の通り打撃が抜群に良い捕手です。昨季、私はソフトバンクのコーチとして日本シリーズでカープと対戦しましたが、彼は4試合スタメンマスクを被りました。日本一を目指す大舞台で『1球の大切さ』を学ぶことができたと思いますし、これは捕手にとって何にも代えがたい大きな経験です。私も日本一になった84年、初めて正捕手として出場しましたが、初戦では初回を終えただけで1試合プレーしたくらいの緊張感がありましたし、1試合終われば喉がカラカラになるほどのプレッシャーを感じました。

 また會澤のリードを見ていると、信念があり、気持ちの強さを感じます。インコースを突いていくときは突いてきますし、弱気にならず、偏らないリードが印象的です。

 そして會澤は捕手としての高い能力に加え、高い打撃力を持っていることが大きな強みです。ほとんどのチームを見ていると、捕手は下位打線を打つことが多く、そこにピンチヒッターが出される場面が見受けられます。今季からは出場登録選手数が29人になっていますが、ベンチ入りできるのは25人です。その中で投手が9人程度とすれば、16~17人の野手登録となります。
 こういう人数の中で、試合中盤に大差で負けていれば当然投手のところでピンチヒッターを出すことになりますし、場合によっては打力が低い捕手へピンチヒッターを出すという選択肢も出てくるでしょう。そうなればベンチ入りの人数との兼ね合いになります。しかも、打てる選手ばかりをベンチに入れる訳にはいきません。走り、守りのスペシャリストに加えて、控えの捕手を2人程度置いておく必要があります。
 私が現役時代によく『捕手は2割5分程度打てれば、あとは監督の采配に応えられるようにしてくれ』と言われて送りバント、エンドラン、右打ちなど進塁打の遂行を求められました。しかし會澤ほどの打撃力があれば代打を出されることはありませんし、ベンチスタートになったとしても強力な代打要員になれます。
 そういう意味でも、會澤のような『打てる捕手』がチームに1人、しかも正捕手でいるとなれば、ベンチワークを考えると非常に良いバランスを取ることが可能です。



(広島アスリートマガジン2019年7月号から一部抜粋・続きは本誌にて掲載)


▼ 達川光男(たつかわみつお)
1955年7月13日、広島県出身。
78年に広島入団。83年から正捕手に定着すると、84年の日本一、86年、91年のリーグ優勝に貢献。ベストナイン、ゴールデングラブ賞をいずれも3回受賞するなど、80年代のカープ黄金時代に頭脳派捕手として活躍。92年限りで現役引退。95年にダイエー(現ソフトバンク)コーチに就任、98年に二軍監督として広島復帰すると、99年から2年間広島一軍監督を務めた。その後は、阪神、中日でバッテリーコーチを歴任し、17年から昨季までソフトバンクでコーチを務めた。現在はプロ野球解説者として活躍中。


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広島アスリートマガジン編集部

最終更新:6/26(水) 6:04
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